高知市における自動運転技術の最前線
2025年度に向け、高知県高知市で自動運転のレベル4車両に関する革新的な取り組みが始まります。このプロジェクトは、NTT西日本株式会社、高知市、NTTビジネスソリューションズ株式会社、株式会社マクニカなど、数つの企業や自治体が協力して進めるものです。
プロジェクトの背景と目的
この実証実験は、総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業」から採択を受けたもので、特に緊急車両との共存が求められる自動運転技術の発展を目指しています。高知駅周辺は交通量が多く、特に緊急車両が頻繁に通行するエリアなので、安全な運行の実現が課題となっています。また、近隣には大型商業施設や病院が立地しており、様々な交通参加者が交錯しています。
このような環境下において、自動運転車両が安全に運行できるよう、通信システムおよび運行管理の仕組みを検証します。これにより、地域の公共交通を支えるとともに、自動運転技術の普及にも繋がることが期待されています。
実証実験の概要
具体的な技術課題としては、自動運転車両が緊急自動車に遭遇した際、安全に一時停止し、再発進するための仕組みの検証があります。位置情報や車線情報を把握するシステムを構築し、遠隔監視システムおよび車載システムを改修します。これにより、緊急車両の通行を妨げずに、安全に運行できる条件を整えることを目指しています。
また、異なる2車種の自動運転車両を使用して実施するため、自動運転車両のメーカーに依存せず、汎用性のある安全確保の課題を解決する方針です。特に、使用する車両は、Navya Mobility社製のEVOおよびTierⅣ社製のミニバスです。
プロジェクトの進行状況
実証実験は2025年11月から準備運行が開始され、12月には一般運行が予定されています。運行場所はJR高知駅からイオンモール高知および高知赤十字病院までの約1.1kmのルートです。これにより、地域の人々が実際に自動運転バスを利用する機会が増えることが期待されています。
各者の役割
このプロジェクトには、多くの関係者が関わっています。
- - 高知市は、自動運転車両の運行ルートの提供や周辺環境への調整役を担います。
- - NTT西日本は、全体の運営や進捗管理を行い、実証実験の総括業務を担当します。
- - NTT BSは、自動運転車両の制御システムを設計・構築し、必要なデータを収集します。
- - マクニカは、EVバスとその運行管理システムを提供し、技術サポートを行います。
今後の展望
今後この実証実験を通じて、緊急自動車に対しても安全に運行できる自動運転車両の確立を目指します。今回の実験で得られたデータや課題をもとに、自動運転車両が走行できるエリアの拡大が図られ、地域の交通政策にも好影響を与えることが期待されます。
準備運行や一般運行に関する詳細は、確定次第、新たに発表されるでしょう。地域の人々や交通機関にどのような変化をもたらすのか、注目が集まります。