株式会社ウィザスへの公開買付け契約締結
2025年6月9日、Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(以下、SAFS)が運営するファンドGlobal ESG Strategy(GES)は、東京証券取引所スタンダードに上場している株式会社ウィザス(証券コード:9696)に対する公開買付け契約を締結したことを発表しました。
投資の背景
ウィザスは通信制高校事業と学習塾事業の二大事業を営んでいますが、2024年度に入り、通信制高校事業では成長が見られず、学習塾事業も利益率が低迷しています。これにより、長期的な事業構造改革が求められています。特に、創業家による不適切な影響力を排除し、適切な経営体制の構築が不可欠とされています。
非公開化の提案
ウィザスの経営陣は短期的な利益追求に追われがちであり、その結果有効な改革が難しくなる懸念があります。このため、GESは2024年11月に向けて、非公開化を通じた根本的な改革を提案しました。
この提案に共感したウィザス経営陣は、企業価値向上のために非公開化の過程を進める意向を示し、GESも買い手候補の選定プロセスに参加しました。
GESの株主提案
GESは2025年4月、ウィザス取締役会を刷新する複数の取締役候補を提案し、経営体制の改善を促進するために、取締役会議長を社外取締役から選定することや、買収防衛策の廃止を提言しました。これはウィザスの持続的な成長を目指す動きの一環として評価されます。
公開買付けの内容
2025年5月19日、ウィザス特別委員会は公開買付者を最終候補とし、価格交渉が進みました。最終的には、全株主にとって有利な公開買付価格が決定され、ウィザス経営陣はこの公開買付けを受け入れることを決定しました。この過程には、既存の条件を踏まえたフィデューシャリー・アウト条項が含まれています。これにより、GESは今後の経営陣との協力を通じてウィザスの企業価値及び株主価値の向上を目指します。
まとめ
今回の公開買付け契約締結は、ウィザスの持続的な成長に向けた重要なステップであり、企業のガバナンス改革と経営体制の改善が目指されています。投資者としては、今後の展開に注目が集まることになります。これにより、ウィザスがより強固な企業へと成長することが期待されます。