Space BD、JAXAのISS「きぼう」超小型衛星放出事業を2030年まで継続選定
宇宙ビジネスを牽引するSpace BD株式会社が、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」における2つの事業で、2030年までの継続選定を受けたことが発表されました。選定された事業は、ISS「きぼう」からの超小型衛星の放出サービスと、船外施設における軌道上利用サービスです。
Space BD社は2018年から超小型衛星放出事業、2019年から船外施設利用サービス事業に参入しており、これまでに約60件もの実績を積み重ねています。当初、ISSの運用終了が予定されていた2024年末までを対象とした選定でしたが、運用期間が2030年まで延長されたことに伴い、今回の継続選定に至りました。
ISS「きぼう」からの超小型衛星放出事業
この事業では、CubeSat規格(1U~6U)または50kgの超小型衛星をISSへ運び、J-SSOD(JEM Small Satellite Orbital Deployer)を用いて宇宙空間へ放出します。Space BD社は、衛星のユーザーインテグレーションから放出、そしてJAXAとの協力による衛星軌道投入まで、ワンストップでサービスを提供しています。
これまでに約50機の衛星放出実績があり、その技術力と教育事業との連携による事業開発力は高く評価されています。今後は、様々な衛星打上げ・放出手段を提供し、事業利用の最大化を目指していくとのことです。
主な実績例:
創業以来最多となるJAXAへの衛星引き渡し数13機を予定(2024年度)
超小型衛星OPTIMAL-1の軌道投入完了
船舶位置情報受信システム実証衛星「IHI-SAT」のISS打上げ成功
クラーク記念国際高等学校、岩手県立花巻北高等学校などでの衛星開発教育プログラム提供
国際宇宙ステーション「きぼう」船外における軌道上利用サービス
この事業では、最大200kgの装置を搭載可能な中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)を用いて、「きぼう」船外実験プラットフォームで対象物を宇宙空間に曝露させます。地上への回収も可能なため、宇宙環境に曝された現物を分析できる点が大きな特徴です。
Space BD社は、装置搭載から運用サポート、地上回収までをワンストップで提供。これまでに機器実証実験で7件、宇宙エンタメ利用・プロモーション利用で数十件の実績を有します。今後、宇宙ステーションの商業化時代を見据え、新たなビジネスモデルの開発にも注力していく予定です。
主な実績例:
秘密鍵共有技術の研究開発実証実験へのサービス提供
ソニーへのサービス提供による無線実験装置の実証実験完了
JO1公式アンバサダーによるスペースデリバリープロジェクト
宇宙×アート×NFTプロジェクト
* 宇宙から帰還した伝統工芸品の作品化
「ポストISS」時代を見据えて
Space BD社は、世界的な宇宙開発の進展を背景に、両事業の継続選定を機に、新たなサービス開発や既存事業とのシナジー効果創出に力を入れるとしています。豊富な実績を活かし、宇宙空間利活用のあらゆるニーズに対応する「最初の相談相手」として、宇宙産業の発展に貢献していく姿勢を示しています。
Space BD株式会社について
Space BD社は、「宇宙商社®」として、日本の宇宙ビジネスを世界を代表する産業に発展させることを目指しています。2017年の設立以来、宇宙輸送手段の提供やISS利活用支援など、幅広いサービスを提供し、官民の事業化支援、事業変革、教育分野にも事業を展開しています。2024年11月現在、約500件以上の宇宙空間への輸送実績を誇ります。