シシノメラボの挑戦
2023-05-18 13:00:02
千葉県で始まった新たな挑戦「シシノメラボ」の取り組みと未来
「シシノメラボ」の始まりとその目的
千葉県内で発足したローカルSDGsプロジェクト「シシノメラボ」は、獣皮を地域の資源として活用し、問題を魅力に変換する取り組みです。発起人の佐藤剛さん、辻榮亮さん、大阪谷未久さんが中心となり、地域の課題解決に向けた足掛かりとして設立されました。 実際、農林水産省の報告によると、2021年度における野生鳥獣による被害額は千葉県で3億円に達しました。農作物被害が深刻な一方で、駆除された動物の多くは廃棄や焼却処分されている現状があります。このような無駄を減らし、獣害を資源として有効活用することで、地域経済を再活性化させることが「シシノメラボ」の狙いです。
設立の背景
千葉県内では、未活用の獣皮が多く存在しており、これを資源として活かすことが急務とされています。特にジビエとして流通するのはわずか10%に過ぎず、その他の皮や骨などはほとんどが廃棄されてしまいます。この現状を憂い、発起人たちは獣害問題の軽減を目指すと同時に、捕獲した動物の一部を素材として生かすことで、地域の経済に寄与することを考えています。
具体的な目的
「シシノメラボ」には明確な目的が3つあります。
1. 獣害を地域の財として活かす: 千葉県内で捕獲される獣皮を資源として認識し、無駄をなくすこと。
2. 意見・情報交換の場の提供: メンバー同士で活発な交流を行い、真の循環資源の実現を図ること。
3. 業界団体の設立: 第三者的な組織として、現場の声を広く発信し、命の大切さと経済的価値について伝えること。
団体メンバーの紹介
発起人たちはそれぞれ異なるバックグラウンドを持ちながらも、共通のビジョンに向かって活動しています。辻榮亮さんは、獣害を通して命の尊さを伝える授業「還るいのち」を主宰し、大阪谷未久さんは環境調査を通じて獣皮を活用するアーティストとのコラボレーションを行っています。そして、佐藤剛さんは、レザークラフトの経験を活かしつつ、地域の環境問題に取り組んでいます。
今後の活動計画
2023年度においては、千葉県庁での記者会見や、動物公園との共催イベントなど、様々な活動が予定されています。また、獣皮の商標登録に向けた基準策定や、展示会への出展も計画中です。通年を通じて、獣皮の有効活用に向けた提言を行い、関係する企業や団体との連携を深めていく予定です。
シシノメラボの未来
「シシノメラボ」はただ単に獣皮を活かすだけでなく、サーキュラーエコノミーの新たな経済モデルを提案しています。これにより、地域社会に持続的なベネフィットをもたらすことを目指し、「獲る→食す→創る」「学ぶ→還す」という一貫した事業スキームの構築を進めています。また、今後は国内外に向けてもそのモデルを展開し、地域の経済と環境の両立を実現する意図があります。
「シシノメラボ」は、千葉県から始まった革新的な取り組みとして注目されています。地域経済を活性化させ、環境問題に向き合うことを目指すこのプロジェクトは、これからの日本において新たな方向性を示す存在となっていくでしょう。また、獣害を活用した新たな経済圏の創出が、他の地域への波及も期待されます。
会社情報
- 会社名
-
シシノメラボ
- 住所
- 千葉県長生郡睦沢町河須ケ谷グミノ木下13-4
- 電話番号
-
080-5461-9760