AI×バイオマス発電
2024-01-25 17:00:01
AIがバイオマス発電所の未来を拓く!データドリブンな保安支援システムの実証実験成功
AIが革命を起こす!バイオマス発電所の未来
三重県松阪市に拠点を置くバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社は、経済産業省の補助金事業を活用し、画期的なAI搭載保安支援システムの実証実験を成功させました。燃料の性状に左右されやすいバイオマス発電において、安定した電力供給を維持するための革新的な取り組みとして注目を集めています。
バイオマス発電の課題とAIによる解決策
バイオマス発電は、環境に優しいエネルギー源として期待されていますが、従来の発電方法と比較して課題も多く存在します。特に、燃料となる木質バイオマスの含水率や形状が一定しないため、設備への負担が大きく、年間数回の発電停止を招くトラブルが発生していました。
この課題を解決するため、同社はAIを活用したデータドリブンな運用システムの開発に着手。大規模言語モデル(LLM)を活用することで、膨大なデータを分析し、トラブル発生の予測や迅速な対応を実現するシステムを構築しました。
補助金と開発内容
本プロジェクトは、経済産業省の「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」を活用して実施されました。開発内容は大きく分けて以下の6つの段階に分けられます。
1. LLM学習データの作成: 既存システムのデータベースからLLM学習用のデータを抽出し、適切な形式に変換しました。
2. システム環境の構築: クラウド上に、AIシステムが動作する環境を構築しました。
3. LLM追加学習と学習結果の確認: 作成した学習データを用いてLLMを追加学習させ、その学習結果を確認しました。
4. 既存システムとのインターフェース構築: 既存の高度化システムと、新たに開発するチャットボットUIとの間のインターフェースを構築しました。
5. チャットボットUIの開発: 保安担当者がAIシステムとやり取りするための、使いやすいチャットボットUIを開発しました。
6. 評価と検証: 開発したシステムを用いて、業務に必要な情報検索時間やトラブル対応時間の短縮効果を検証しました。
目覚ましい成果
実証実験の結果、情報検索時間は従来の30分から3分に、トラブル発生時の社内連絡時間は3日から1日に短縮されました。これは、AIによる迅速かつ正確な情報提供と、効率的な情報伝達システムの構築による成果です。
さらに、定性的な効果として、データドリブンな発電所運営への意識向上も期待されています。AIシステムの活用により、運転員のスキルアップも図ることができ、人材不足問題の解消にも貢献する可能性があります。
未来への展望
バイオマス発電所の増加に伴い、専門的なスキルを持つ人材の確保はますます困難になってきています。同社のAIシステムは、熟練者の経験や知識をAIに学習させることで、若手運転員の育成を支援し、安定した発電所の運用に貢献します。将来的には、点検時期の事前通知や定期点検の入力補助など、更なる機能拡張も検討されています。
まとめ
バイオマスパワーテクノロジーズ社の取り組みは、AI技術を活用することで、バイオマス発電所の安定稼働と省人化を実現する、画期的な事例と言えます。この成功は、日本のエネルギー問題解決に向けた重要な一歩となるでしょう。今後、同社の取り組みが、他の発電所にも広がり、再生可能エネルギーの普及に貢献することが期待されます。
会社情報
- 会社名
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株式会社日本能率協会コンサルティング
- 住所
- 東京都港区芝公園3-1-22日本能率協会ビル7階
- 電話番号
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03-4531-4300