金ケ崎薬草酒造の挑戦
2022-02-14 14:36:05

日本の和ハーブを使った新たなリキュールブランド『金ケ崎薬草酒造』の誕生

和ハーブリキュールの新星、金ケ崎薬草酒造が誕生



日本の伝統的なハーブを利用した新たなリキュールブランド「金ケ崎薬草酒造」が、岩手県金ケ崎町にオープンしました。この酒造場は、アペリティフリキュールやアマーロなど、ハーブリキュールの製造を主力に据えています。

日本ではあまり普及していないハーブリキュールですが、近年欧米を中心に特に若者の間で人気が高まっています。これは、いくつかのハーブに柑橘類や果実のエッセンスを加えることで、複雑な風味が生まれ、カクテルとしての利用はもちろんのこと、食前や食後の飲み物としても好評です。

日本は紫蘇、山椒、わさびといった魅力的なハーブや果物に恵まれており、それを活かしたリキュールを生産することは、潜在的な市場の開拓に繋がります。ここ金ケ崎町の豊かな自然を活かし、さまざまな植物を使用した和ハーブリキュールを開発し、国際的なブランドへと成長させていくことが目標です。

新しい消費スタイル「和花」



金ケ崎薬草酒造が提供する初の商品が「和花(わか)」シリーズです。これは、日本の四季を感じさせるハーブや果実の香りをブレンドした新感覚のリキュールで、春、夏、秋、冬のそれぞれの旬を意識しています。

特にお酒をあまり好まない若い世代に向けて、飲みやすい低アルコール(10%)で製造されており、「少しを楽しむ」というコンセプトのもと、少量でも多様な植物の風味を楽しむことができ、充実した気分を味わえます。この楽しみ方として、小さなグラスでストレートで堪能することを提案しています。

この「和花」シリーズの初商品として、春の「樹(いつき)」と秋の「果(みのり)」は、応援購入サイト「Makuake」で先行販売中で、開始から3日間で200万円を集めるなどの注目を集めています。一般販売の開始は2022年4月を予定しています。

夢を叶えた若き起業家たち



金ケ崎薬草酒造を立ち上げたのは、元バーテンダーの老川和磨氏(28歳)と、東京大学大学院を修了したデザイナーの林優花氏(25歳)です。老川氏は、カナダやアメリカでバーテンダーとしての経験を積んだ後、地産地消をテーマにした蒸留所見学がきっかけで、自身も酒造場を持つという夢を抱くようになりました。

帰国後は東京都内で自家製ハーブを扱うバーを運営していましたが、コロナ禍の影響で地元での開業を決意。林氏を誘って株式会社K.S.P(金ケ崎・サスティナブル・プロダクト)を設立し、父方の実家を改装して小さなリキュール工場を作り上げたのです。2021年11月末にリキュール製造の免許を取得し、翌月には製造を開始しました。

持続可能な未来への取り組み



企業の理念は「酒造×農業×デザイン」の協力によって、新たな価値を社会に提供することです。金ケ崎薬草酒造は、酒造事業のほかに自社農園での原料生産やハーブの収穫体験、育成指導なども行い、ハーブの魅力を多方面から発信しています。

彼らは、廃棄される可能性のある野菜や果実を使った製品の開発にも取り組んでおり、食品ロスの削減を目指しています。また、既存の「和花」シリーズに加え、日本の伝統的な飲み物であるお茶を使用した「茶酒」を製造し、今後さまざまな飲料や加工品の開発にも注力していく予定です。

金ケ崎薬草酒造の挑戦は、単なるリキュールの枠を超え、我々の日常に新しい文化と楽しみをもたらすものです。彼らの次なるステップから目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社 K.S.P
住所
岩手県胆沢郡金ケ崎町西根下桑ノ木田30
電話番号
090-7937-4413

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