YKK AP、オンサイトPPAで再エネ電力を100%有効活用! 埼玉工場から他拠点への電力供給開始
YKK AP株式会社、日鉄エンジニアリング株式会社、SMFLみらいパートナーズ株式会社の3社は、2024年5月に「発電余剰電力融通型オンサイトPPA」の運用を開始しました。
この新たなスキームは、YKK AP埼玉工場新建屋に設置された太陽光発電設備から生まれた再エネ電力を、埼玉工場旧建屋および埼玉窓工場へも供給することで、発電された電力を100%有効活用することを可能にします。
再エネ電力活用率向上に向けた取り組み
YKK APでは、工場の電力使用における再エネ化を進めており、2023年10月には埼玉工場新建屋にパネル容量約1,700kW規模のオンサイトPPAを導入していました。しかし、埼玉工場新建屋単独では、発電される電力の半分程度しか活用できていないという課題がありました。
そこで、日鉄エンジニアリングが小売電気事業者として、東京電力パワーグリッド株式会社の送電網を活用し、埼玉工場旧建屋と埼玉窓工場へ余剰電力を供給することで、YKK AP全体での再エネ電力使用比率を高めることを実現しました。
CO2排出量削減効果
今回の取り組みによって、YKK APが利用する太陽光発電由来の再エネ電力は、初年度で約117万kWh/年を見込んでおり、二酸化炭素排出量削減効果は、512トン/年となる見込みです。
企業としての脱炭素化への取り組み
YKK APは、建築物のカーボンニュートラルに大きく貢献する高断熱な窓やドア、カーテンウォールの開発・販売・普及を推進しています。
自社のCO2排出量削減目標として、2030年度までに2013年度比80%削減を掲げ、製造時の省エネやプロセス転換に加え、再生可能エネルギーの導入・自家消費をグローバルに展開しています。
今回の「発電余剰電力融通型オンサイトPPA」導入により、YKK APは初めて自社他拠点での余剰電力の使用が可能となりました。今後、複数拠点間での余剰電力の融通や蓄電池の活用など、再生可能エネルギーの最大限活用を推進していく予定です。
3社の取り組み
日鉄エンジニアリングは、20年以上にわたる小売電気事業者としての知見を活用し、地産地消電力による地域循環共生圏の創造、PPAによる再エネ電源導入促進、調整力の需給調整市場などへの活用を含めた電力ソリューション提供を推進しています。
SMFLみらいパートナーズは、太陽光・バイオマス・水力などさまざまな再生可能エネルギー発電事業、オンサイト/オフサイト発電事業によるCO2フリー電力の提供、省エネルギー支援サービスなどの事業を展開しています。
三井住友ファイナンス&リースは、再生可能エネルギーや省エネルギー設備にリースをはじめとするさまざまなファイナンスサービスを提供しています。三井住友ファイナンス&リースグループは、企業の脱炭素への取り組みを支援するソリューションをワンストップで提供することで脱炭素社会の実現に貢献していきます。
まとめ
YKK APが導入した「発電余剰電力融通型オンサイトPPA」は、再生可能エネルギーの有効活用という課題に対する、画期的な取り組みと言えるでしょう。今後、複数拠点間での余剰電力の融通や蓄電池の活用など、更なる再生可能エネルギーの拡大が期待されます。