東京・港区南青山に位置するポーラ文化研究所の化粧文化ギャラリーでは、2024年9月5日から「化粧のはじまり」をテーマにした特別展が開催されています。この展示は化粧の歴史の初期に焦点を当て、古代エジプトや古代ギリシャの化粧道具を中心に、化粧文化の発展を辿る内容となっています。
展示のタイトル「はじまりの美学」は、2024年から2025年にかけて3期に分けて行われる展覧会シリーズの一部であり、今回はその第2期目として位置づけられています。化粧の起源を探る旅は、実に旧石器時代にさかのぼると言われており、考古学的な発見からもその痕跡を確認できます。
「化粧のはじまり」展では、具体的に約12点の貴重な化粧道具が展示されています。その中には、紀元前13世紀から12世紀の古代エジプトの青銅製手鏡やコール壺、さらに紀元前5世紀の古代ギリシャの陶製香油壺、中東の化粧皿などがあり、古の人々の美意識や価値観を垣間見ることができます。これらの道具は、当時の人々がどのようにして美しさを追求していたのかを物語っています。
また、展示室内では展示品とともに、それぞれの化粧道具や原料にまつわる図版もパネル展示されており、化粧の目的や役割についても解説されています。さらに、化粧に使用される素材や、容器のデザインなどに関する情報も紹介されています。これにより、来場者は単なる物見遊山ではなく、化粧文化についての深い理解を得ることができるでしょう。
展覧会の一環として用意されている「Books」コーナーでは、化粧の起源に基づいた6つのテーマから選ばれた関連書籍が並べられており、知識を深める絶好の機会を提供しています。古代の化粧道具を通じて、美容の歴史や文化の変遷に思いを馳せてみるのも良いでしょう。
化粧文化ギャラリー自体は約14㎡のコンパクトな空間ですが、展示は多角的なアプローチで構成されており、学芸員によるギャリートークや予約制のレファレンスも行っています。これらのプログラムは、研究所が運営する場所ならではのため、化粧に関する興味深い知見や体験を得ることができます。
本展は2024年9月5日から12月13日まで開催され、入場は無料です。木曜日と金曜日に開室し、最終入室は午後4時30分までです。来場者は、古代エジプトやギリシャの化粧文化に触れ、その美意識を感じながら、新たな視点から化粧とは何かを見つめ直す良い機会です。
ぜひ、ポーラ文化研究所の化粧文化ギャラリーに足を運び、古の美への探求に参加してみてはいかがでしょうか。