免疫疾患研究に新展開
2025-12-19 14:28:04

千葉大学と日本BDが共同でヒト免疫疾患の研究を加速するプログラムを始動

千葉大学と日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(以下、日本BD)は、ヒト免疫疾患研究を加速する新たなプログラム「Science Connect Program(以下、SCP)」を始動しました。本プログラムは、免疫機構の多様性に焦点を当て、詳細な解析を通じて病態の理解と治療法の開発を目指しているのです。2025年12月4日付けで締結された基本合意書をもとに、二つの研究機関の共同研究が進められます。

このプログラムのもとでは、ヒト免疫の多様性を網羅的に解析するためのワークフローの標準化が進められ、最新のフローサイトメトリー技術に基づくコアファシリティが構築されます。また、国際水準の技術基盤に基づいた新たな技術革新を共創することを狙いとしています。

新型コロナウイルスの影響を受けた世界では、ワクチンの開発やがん免疫療法の進展が急務となっています。その中で、免疫系の重要性はますます増しています。免疫細胞は全身に分布しており、脳疾患や心疾患といったさまざまな疾患に関連していますが、その多様性や機能については未だ解明されていないことが多いのです。

SCPでは、最新の一細胞解析技術を駆使して、免疫細胞からより詳細な情報を引き出し、病態理解の新たな扉を開くことを目指します。近年、技術の進歩により、フローサイトメーターは細胞画像の取得と高速解析を両立させることができるようになり、これが研究に与える影響は計り知れません。しかし、その性能を最大限に活かすためには、欧米の先進研究機関に見られるような専門的な知識を持つスタッフによる「Shared Resource Laboratory(SRL)」が必要不可欠です。

SCPは、そのような環境を整えると同時に、ヒト免疫疾患の解明に貢献する人材を育成します。免疫疾患の理解には、系統管理されたマウスモデルではなく、実際の個人間における多様性に着目することが求められます。この多様性は、ワクチンの効果や副反応に関する個人差にも影響を及ぼすと考えられています。

本プログラムでは、診療科を横断し共通の指標で免疫パラメータを解析する試みも行い、疾患ごとの免疫系の共通点や特異点を抽出することが期待されています。千葉大学のcCHIDとcSIMVaの強みを活かし、ヒト免疫機構の複雑さを解明するためのデータを収集し、AI技術を駆使したデータサイエンスによる分析と連携を図っていきます。

千葉大学ヒト免疫疾患治療研究・開発センター(cCHID)は、ヒト免疫関連疾患に関する研究開発を推進するために設立されました。一方、日本BDは、一細胞の生物的特徴を高速で解析するフローサイトメーターを1973年に発表し、それ以来、細胞解析の分野でのパイオニア的存在として多くの施策を展開してきました。彼らの専門性が、SCPの成功を支える重要な要素となるでしょう。

今後も、千葉大学と日本BDの共同による革新が、ヒト免疫疾患に対する理解を深め、新たな治療法の開発へとつながることが期待されています。


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会社情報

会社名
国立大学法人千葉大学
住所
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
電話番号
043-251-1111

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