株式会社MiRESSOと日揮株式会社の新たな取り組み
株式会社MiRESSO(青森県三沢市)が、日揮株式会社と手を組むことで、核融合エネルギーに欠かせないベリリウムの製造に向けた大きな一歩を踏み出しました。今回、両社はベリリウム製造を目的としたパイロットプラント「BETA」の基本設計契約を締結しました。このプラントは、2030年代に向けて持続可能な核融合エネルギーの実現を目指す重要なプロジェクトです。
BETAの基本設計について
「BETA」は、青森県八戸市に位置し、約300平方メートルの敷地に整備されます。ベリリウムを用いた低温精製技術のパイロット実証を行い、2027年度には生産を開始することを目指しています。これは、フュージョンエネルギーを利用するためのフュージョン炉の核となる部分で、今後のエネルギー需要に応えるための重要な役割を担います。さらに、MiRESSOは日本の中小企業イノベーション創出推進事業からも支援を受けており、ベリリウム生産の実現に向けた取り組みを加速させています。
ベリリウムの重要性と課題
フュージョンエネルギーは、核融合によって生成されるエネルギーを電気として取り出す新しい発電方式です。しかし、フュージョン炉の燃料であるトリチウムは自然界にはほとんど存在せず、自己生産を行うためにベリリウムが必要不可欠です。実際、1基の原型炉に対して大量のベリリウムが求められるため、その安定的かつ経済的な調達が重要な課題となっています。現在のベリリウムの価格は高騰しており、需要と供給のバランスが取れていない現状があります。
MiRESSOの革新的な低温精製技術
今回のプロジェクトで特に注目されているのが、MiRESSOが開発した低温精製技術です。この技術は、化学処理とマイクロ波加熱を併用しており、従来の高温処理(2,000℃)に比べて、300℃の低温でベリリウム鉱石を処理することが可能です。これにより、コストを大幅に削減し、環境への負担も軽減しつつ効率的にベリリウムを生産できることが期待されています。
未来の展望
MiRESSOは「BETA」における実証結果をもとに、2030年代にはベリリウム生産年100トン規模の量産プラントの建設を目指しています。このような取り組みは、日本における未来のエネルギーシステムの構築に寄与するとともに、地球環境への配慮を持った持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。
日揮株式会社の役割
日揮株式会社は、長年にわたり国内外でエンジニアリング技術とプロジェクトマネジメントを駆使し、様々なプロジェクトを推進してきた実績があります。これにより、MiRESSOとのパートナーシップは、両社の技術力を融合させることにより、今後の核融合エネルギーの実現に向けた大きな力となるでしょう。
お問い合わせ
本件に関する詳細情報やお問い合わせは、株式会社MiRESSOの広報担当までご連絡ください。すでに多くの問い合わせが寄せられており、今後も新たな動きが期待されます。