新たな体育授業支援ツール「VISMONI」がもたらす学びの改革
沖電気工業株式会社(通称:OKI)は2026年8月に、教育DXを支援する運動データ可視化ソリューション「VISMONI(ビズモニ)™」を販売開始すると発表しました。このシステムは、児童や生徒の運動状況をリアルタイムで可視化し、教員が個別に適切な指導を行う手助けをすることで、体育授業の質を向上させ、個別最適な学びを実現することを目指しています。
教育革新に対応する背景
文部科学省のGIGAスクール構想を受けた新たな学習指導要領によると、体育においてもICTや客観的なデータの活用が求められています。しかし、実際には多くの教員が児童や生徒一人ひとりの運動状況をリアルタイムで把握することが難しく、体力差に応じた指導を行うことが困難な状況です。これを解決するため、OKIは和歌山大学の村瀬浩二教授と共同で「VISMONI」を開発しました。
「VISMONI」の機能と特長
「VISMONI」では、児童・生徒が着用するリストバンド型センサーを用いることで、心拍数、歩数、体表温度、消費カロリーの4つの運動データを測定します。OKI独自の920MHz帯無線通信技術により、40人分のデータを安定的に自動収集し、モニタリング端末にリアルタイムで表示します。これにより、教員は運動状況を客観的に捉え、各児童に適切な指導を行うことが可能になります。
さらに、これまでの速度や距離に基づく指導ではなく、心拍数を指標にした授業設計が可能になり、体力差に関わらず参加しやすい環境を提供します。児童同士でデータを比較し、互いに学び合うことで「主体的・対話的で深い学び」を実現します。
教材の利用と授業設計
「VISMONI」の利点は教材としての活用も多岐にわたります。授業手引書があり、様々な単元に柔軟に適応可能となっています。例えば、バスケットボールやハードル走などにおいても、運動データが具体的なフィードバックをもたらし、教員が児童に個別に声かけをしやすくなります。
システム設計と運用効率
システムの設計に関しては、運用効率も重視されています。リストバンド型センサーの充電や保管が容易な専用ボックスが用意されており、簡単に設置できる基地局も提供されるため、日々の運用負荷を軽減します。学校現場で無理なく活用できる環境が整備されています。
未来への展望
OKIは「VISMONI」を通じて、2031年度までに1,500校への導入を目指しており、さらには多人数データのリアルタイム分析や遠隔共有を進め、個別化されたヘルスケアサービスの展開も視野に入れています。教育現場のウェルビーイングを実現するため、今後もICTやセンシング技術を活用していく方針です。
専門家の視点
和歌山大学の村瀬浩二教授は、「体力差のある子どもたちが共に学べる体育では、個々に応じた目標設定が不可欠です」と述べ、「VISMONI」の導入によって、心拍数などの生体データを通じて、個別最適な学びや自己調整が促進され、生涯に渡るスポーツの資質・能力を育成できると強調しています。
新しい体育授業の形を模索する中で、「VISMONI」はその実現に向けて大きな一歩を踏み出しました。今後、全国の教育現場でどのような変化をもたらすのか、注目です。