小型ドローンによる革新的な3Dモデリング技術
三機工業株式会社は、有限会社キャド・ケンドロと協力し、レーザースキャナと小型ドローンを駆使した新たな3Dモデリング手法の実用化に成功しました。これにより、既存設備のデジタル化が一層スピーディーかつ正確に行えるようになります。
1. 背景と課題
リニューアル工事において、既存図や現状図が存在しない場合、多くの現場で直面する課題です。この問題に対処するために、レーザースキャナを用いた3Dモデリング技術が注目されています。しかし、天井裏や配管が密集している機械室では、レーザーが到達しづらく、精度の高い3Dモデル化が難しいという問題がありました。
2. 新たな技術の導入
三機工業はこの課題に応えるため、キャド・ケンドロの豊富な3Dスキャン技術と小型ドローンを組み合わせ、この実用化に成功したのです。使用されるドローンは、Liberaware社製で、狭小または閉鎖空間での点検に特化しており、過去にも自然災害による被災建物の調査などに使用されています。
3. 実用化のステップ
この新たな手法を実現するために、必要な手続きを進め、実運用に向けたトレーニングを行っています。また、精度の高い3Dモデルを生成するための飛行方法とデータ処理のフローを確立しました。具体的には、撮影した動画から点群データを作成し、BIMソフト(Rebro)への変換も行っています。
4. 成果と進展
この新しい手法により、天井のない空間での完成部材数が約135%向上し、天井が解体された場合には約400%も改善されました。加えて、足場を必要としないことで現場の安全性も大幅に向上します。
5. 今後の展開
三機工業は、今後もBIMやAIを駆使しつつ、生産性と品質の向上を目指します。リニューアル市場の需要が高まる中で、3Dスキャン技術と小型ドローンの融合を進め、AIによる自動飛行を実現する等、建設業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に貢献していく方針です。
結論
三機工業株式会社による小型ドローンと3Dモデリング技術の実用化は、建設現場のデジタル化の新たなスタンダードを打ち立てる可能性を秘めています。これより、より効率的で安全な作業環境が構築されることが期待されるでしょう。