香川の河川ごみ対策
2025-03-26 15:49:42

香川県高松市の河川ごみ問題に立ち向かう新たな取り組み

香川県小豆郡小豆島町に本部を置くNPO法人クリーンオーシャンアンサンブル(代表理事:江川裕基)は、最近、香川県高松市に流れる詰田川に新しい河川ごみ回収装置を設置しました。この装置は、環境保護に向けた新たな調査スキームを確立するために開発されました。

この取り組みでは、まさに「データ×現場」をキーワードにしています。新たに導入された流量計(ろ水計)によって、河川のごみ回収量と水量データ(流れの状況や潮位の変動)の関連をデータに基づいて分析することができます。これにより、河川環境の変動がごみ収集効率にどのように影響を与えるのかを明らかにすることを目指します。

河川ごみ回収装置「kawasemi001」



これらの新しい装置は「kawasemi001」と名付けられ、漁業用の浮力材やネットを活用して設計されています。この装置はコンパクトな形状を持ち、設置や移動が簡単です。河口付近に設置することにより、河川から流れ出るごみを未然に回収し、海への流出を防ぐ役割を果たします。

流量計を装備することで、これまでのごみ回収活動において単にごみを集めるだけでなく、科学的に裏付けられた分析も行うことが可能です。例えば、装置が稼働中の間に何リットルの水が流れ、その中にどれだけのごみが含まれていたのかを定量的に把握することができます。

課題と目的



この研究の背景には、詰田川が持つ特有の問題があります。都市部を流れるこの川は、プラスチックごみや空き缶などが流入しやすく、その結果として環境が悪化し、生態系にもネガティブな影響を与えています。加えて、川から海へとごみが流れることにより、瀬戸内海の海洋汚染がさらに進むリスクが指摘されています。

多くの場合、詰田川の水量は平常時において少ないのですが、降雨により急激な水位上昇が見られることが多いです。これはごみが一気に流出する原因となり、その後も堆積する傾向があります。このように、季節や天候による流量の変動がごみの移動や滞留パターンを大きく影響していると考えられています。

具体的な取り組み



クリーンオーシャンアンサンブルは、香川大学との連携のもと、この研究を進めています。具体的には、以下の手順で調査を進めます。まず、ろ水計を使って河川流量と水位の変化を連続的に測定します。次に、収集したごみを定期的に回収し、その重量や種類を測定します。そして、データの相関関係を分析し、流量がピークに達した際のごみ回収量の変化や干潮時のごみの残存状況などを明らかにします。

これにより、河川ごみの発生や移動、回収のパターンを科学的に解明し、より効率的な回収手法を確立することが期待されています。調査によって浮き彫りになる要因は、今後の装置改良や対策に大いに役立つ見込みです。

今後の展望



本研究の成果は、標準的な河川ごみ調査の手法を確立するための基盤となります。この手法は他の地域の河川にも展開可能で、全国規模でのごみ問題解決に寄与することでしょう。また、この仕組みを通じて、地域の企業や行政、市民との連携を深めることを目指しています。

最後に、クリーンオーシャンアンサンブルについては、SNSを通じて活動を広めていただくことや、寄付で支援していただくことも可能です。この取り組みに共感いただける方々は、ぜひ参加を検討してください。未来の世代に美しい海と川を残すため、共に手を取り合って取り組んでいきましょう。


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会社情報

会社名
NPO法人Clean Ocean Ensemble
住所
香川県小豆郡小豆島町坂手甲985番地
電話番号
070-8360-9815

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