CRIが描く、映像ミドルウェアの未来
株式会社CRIMiddleware(以下、CRI)は、東京都渋谷区に本社を置き、音声映像技術の研究開発を行う企業だ。この度、同社が開発したミドルウェア製品群『CRIWARE』を全世界で展開するという新たな一歩を踏み出す。
グローバル展開の背景
CRIWAREは、その強力な音声・映像処理技術を活かし、ゲーム制作を中心に幅広く使用されている。このミドルウェアは、アニメや映画などの既存の映像コンテンツをゲーム内で効果的に利用する機能を持ち、特にメディアミックス展開において力を発揮する。今後のサブスクリプション文化の高まりや、ユーザーの可処分時間の確保が求められる中、CRIWAREはコンテンツの新たな可能性を広げる重要な役割を果たすことでしょう。
今後は、各国における販売代理店との連携を強化し、全世界にCRIWAREを展開することを目指す。日本国内では直接販売を続け、中国市場では子会社CRI Middleware China Co., Ltd.を通じた販売を行い、欧米市場では代理店を通じて販売する計画だ。
Game Developers Conference 2025での登壇
さらに、CRIは2025年3月に米国サンフランシスコで開催される『Game Developers Conference(GDC)』に登壇予定だ。ここでは、CRIのグローバル事業開発室のフェローである増野宏之が、ゲーム音楽の制作方法やサウンド実装について40年間の経験をもとに知見を共有する。『Thou Art Truly a Brave Audio Designer!』というタイトルの講演では、業界の初期からのさまざまな技術の発展について語られる予定だ。
CRIWAREの特長
CRIWAREの中心である『CRI Sofdec』は、シンプルなアーキテクチャによりコストを削減しつつ、動画再生の機能を強化する。これにより、ゲームの開発者はいつでも既存コンテンツを新たな形で再利用できるという利点を得る。また、ストリーミング機能を持つ『CRI Clovis』と組み合わせることで、リアルタイムでの動画再生も実現し、ユーザー体験をより豊かにすることが可能だ。
コンテンツ価値の向上
CRIWAREは、映像や音響の表現力を高めるだけでなく、クリエイターのアイデアを具体化するツールとしても機能する。これにより、さまざまなコンテンツの面白さが引き出され、結果として全体的なコンテンツ品質の向上につながることが期待される。
将来に向けての展望
1990年代に誕生したCRIWAREは、2024年9月末までに8,700ライセンス以上が利用されている。この実績は、CRIが世界中のゲーム開発者に信頼されている証だ。モビリティ分野でも利用が進み、累計962万台以上の自動車やバイクに導入されるなど、その影響力は広がり続けている。
今後もCRIは、技術の進化を続けながら、音озや映像を通じて人々の生活を豊かにすることを目指す。国境を越えたサービス展開が一般的となった今、CRIWAREは世界中のユーザーに新たな体験を提供するために、さらなる挑戦を続けるだろう。
会社基本情報
社名: 株式会社CRI・ミドルウェア
所在地: 東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー11階
設立: 2001年8月1日
代表取締役: 押見正雄
HP:
CRI Middleware