認知症当事者の39%が「買い物に行かない」理由とは？

認知症当事者の買い物への影響と支援策

新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの人々が日常生活に変化を強いられていますが、認知症や軽度認知障害と診断された方々も同様です。有識者によると、このような状況下で認知症の症状が悪化することが懸念されています。実際、最近の調査によると、認知症当事者の39%が「買い物に行かない・行けない」と回答しました。この問題は、生活の質に直接影響を及ぼすものです。

認知症当事者が買い物に行けない理由

調査結果によると、買い物が難しい理由の多くは「短期記憶の障害」と「現金の管理能力の低下」です。これらは、認知症当事者やその家族が抱える具体的な不安となっています。実際、買い物へ行くことの不安を贈られた家族や知人、介護職からも確認されています。

- 短期記憶の障害: 店内で何を買うかを忘れてしまう「買い忘れ」が多く見られ、これが当事者にとっての大きなストレス要因となっています。
- 現金の管理能力の低下: 支払いの際に、正しい金額を計算できないことや、財布を紛失するリスクが特に懸念されています。

これにより、買い物がもはや当事者にとって負担と感じられることが多いのです。

調査結果の詳細

調査には全国の認知症当事者やその支援者が参加しました。特に、買い物ができない理由として「歩行困難」や「施設入居」が54%、そのほか「買い忘れ」28%や「多重買い」18%なども挙げられています。これらは、当事者の生活の中で大きな壁となっています。また、支援者からもこれらの不安についての意見が寄せられ、認知機能の低下がそのまま生活の質に影響を及ぼすという実態が浮き彫りになりました。

家族や支援者の思い

さらに興味深いのは、家庭や支援を行っている専門家からの意見です。彼らの回答によると、短期記憶障害や現金管理の不安が解消されることによって、86%が「お買い物に行ってほしい」と考えていることがわかりました。これは、家族や支援者が本人が何事も気にせず、自由に買い物を楽しむことを望んでいる証拠です。

KAERUアプリの取り組み

KAERU株式会社は、この問題に対してお買いものアシスタントアプリ「KAERU」を開発しました。このアプリは、もの忘れをサポートし、認知症や軽度認知障害のある方が安心して買い物を楽しむことができるよう設計されています。短期記憶の障害に適応した機能が含まれており、これにより当事者はストレスなく買い物を続けることができるよう努力しています。

今後の展望

調査結果は、認知症と診断された方々が直面する具体的な課題を明らかにしたことはもちろん、その問題に取り組すべき多くの方がいるという重要なメッセージを伝えています。認知症があっても「自分なりに買い物を楽しむ」ことができる社会の実現のためには、周囲が理解しサポートすることが不可欠です。そして、技術や支援策を用いて、この課題に取り組んでいくことが求められます。