後遺症とME/CFSの関連
2025-01-03 23:03:24

新型コロナ後遺症と筋痛性脳脊髄炎の関連性を岡山大学が解明

新型コロナ後遺症と筋痛性脳脊髄炎の関連性を岡山大学が解明


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響がまだ続く中、岡山大学が新たな研究成果を発表しました。今回の研究は、コロナ後遺症の患者に見られる筋痛性脳脊髄炎および慢性疲労症候群(ME/CFS)の症状に焦点を当てています。

ME/CFSとは


ME/CFSは、不明な原因による重度の疲労感が持続し、日常生活に重大な支障をきたす疾患です。今回の研究では、コロナ後遺症の一部患者がこのME/CFSに移行する可能性があることが示されました。

研究の概要


岡山大学の大学院医歯薬学総合研究科に所属する森田悟大学院生および大塚文男教授の研究チームは、コロナ後遺症外来を受診した患者を対象に調査を行いました。研究結果によると、オミクロン株感染後のME/CFSへの移行率は3.3%と低いものの、患者の81.3%に集中力や記憶力の低下を示す「ブレインフォグ」症状が見られることがわかりました。

重症度と生活習慣の影響


研究では、新型コロナウイルス感染の急性期の重症度、喫煙や飲酒の習慣、そしてワクチン未接種といった要因が、ME/CFSへ移行しやすいことも指摘されています。特に、ワクチン接種の有無が大きな影響を及ぼす可能性があり、今後の公衆衛生対策で重視されるべきポイントと言えるでしょう。

課題と今後の展望


新型コロナウイルス感染症の流行が続く様子を鑑みると、今後もコロナ後遺症に関連するME/CFS患者は増える可能性があります。重い倦怠感やブレインフォグなどの症状が見られる場合は、早期に医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けることが重要です。

岡山大学の研究成果は、2024年12月9日に国際学術雑誌「PLOS ONE」に発表され、世界中の研究者から注目を集めています。大塚教授は、コロナ後遺症の理解が進むことにより、ME/CFSの症状を軽減するための新しい治療法が示されることを期待しています。

結論


新型コロナウイルス感染症の後遺症は未だ多くの課題を抱えています。岡山大学の研究は、ME/CFSとの関連性を明らかにし、今後の医療や研究の方向性を示す重要な一歩となるでしょう。コロナ後遺症の理解を深め、患者への支援を強化することが求められています。私たち自身も、コロナウイルス感染症の影響を軽視せず、体調に異変を感じたら専門医の診察を受けることが大切です。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。