フラットアイアンヘルス、国際的がん研究ネットワークの拡張
フラットアイアンヘルスは、英国、ドイツ、日本のがん研究ネットワークがこの1年で3倍に増加したことを発表しました。この進展は、同社がリアルワールドデータ(RWD)を利用し、がん医療の向上に寄与する取り組みを強化していることを示す重要なステップです。この拡大により、各国との連携が一層強化され、グローバルな視点でのがん研究が加速しています。
フラットアイアンヘルスは、高品質なRWDへのニーズに応えるため、国際的にビジネスを展開しています。わずか5年で、ヨーロッパと日本において、30社以上の学術医療機関・大学・病院からなる広範なネットワークを構築。具体的な提携先には、Leeds Teaching Hospitals NHS Trustや国立がん研究センター東病院などが含まれています。
今後、フラットアイアンヘルスはデータの活用範囲を広げ、さまざまなデータ利用者との協力を強化する方針です。特に注目すべきは、ドイツのエッセン大学病院との提携で、フラットアイアンヘルスのRWDが活用された研究が、Nature Cancer誌に掲載され、ASCO GU学会でも発表されました。
同社のチーフビジネスオフィサーであるネイサン・ハバード氏は、これによってがん患者への医療提供の改善と新たな多国間研究が可能になると述べています。これは、研究者がこれまで困難だった複雑な課題への解答を見つける手助けをするものです。RWDの活用はガン治療に関する理解を深めるだけでなく、医療技術評価や規制当局の判断を支援する役割も果たしています。
過去2年間で、フラットアイアンヘルスは7本のRWDを基にした研究論文を発表。さらに、Trusted Research Environment(TRE)というプラットフォームを通じて安全かつ直接的な患者データへのアクセスを実現し、国際的なデータ管理とコンプライアンスを維持しています。このプラットフォームの活用により、研究者は異なる国における治療傾向を比較し、質の高いグローバルエビデンスを生成することが可能となっています。
がんの地域差を把握することが新たな治療戦略の構築には不可欠です。国立がん研究センター東病院の坂東英明医師は、フラットアイアンヘルスが地域医療を的確に捉えた研究コホートの構築を進めることで、信頼性の高いエビデンスを創出する重要性を強調しています。
フラットアイアンヘルスは、英国・ドイツ・日本の以外でも、ローカルデータソースの不足に対処するため「Flatiron FORUM」を設立。製薬企業やアカデミアとの連携を深化し、RWDのトランスポータビリティを高め、がん研究における重要な課題に共同で取り組んでいます。これにより、より良い治療結果の実現が期待されています。
フラットアイアンヘルスは、各地域での質の高い研究を支え、がん治療の改善に向けた重要な役割を果たしています。今後、グローバルネットワークを通じて、研究者、臨床医、政策立案者によりデータ活用が促進され、がん研究が一層発展していくことが期待されます。