IHI、グリーンアンモニア製造に向けた試験に成功
が再生可能エネルギーを用いたグリーンアンモニアの製造に関する試験を、2023年に福島県相馬市の「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」にて実施しました。これによって、目標とする効率でグリーンアンモニアを生産できることを確認しました。
背景と意義
現在、アンモニアは天然ガスを利用して製造されており、その過程で二酸化炭素が排出されるため、カーボンニュートラルを目指すには新たな製造方法が求められています。IHIが開発した装置は、再生可能エネルギー(再エネ)由来の水素を利用しており、これによりCO2を排出せずにアンモニアを製造することが可能です。
この技術は「Power-to-X」と呼ばれるエネルギー変換の手法を用いており、再エネの電力を熱や水素に変換し、効率よくエネルギーを利用しています。IHIではこれまでも、相馬市での実証事業を通じて、再エネを利用した水素の製造や地域バスへの燃料供給など、さまざまな取り組みを行っています。
グリーンアンモニア製造のプロセス
今回の試験は、小型スケールの試験装置「そうまラボ」で行われました。このラボでは、水素製造からアンモニアの合成までの一連のプロセスを検証。水素を原料に、特定の条件下でアンモニアを効率的に生産することに成功しました。これは、将来的に商業プラントとしての実用化に向けての大きな一歩と言えます。
今後の展望
IHIは今後もこの技術の研究開発を進め、製造プラントの最適化やより効率的な反応器データの取得に努める考えです。グリーンアンモニアは、燃料の脱炭素化における重要な役割が期待されており、早期の商業化を目指しています。
まとめ
この取り組みは、持続可能な地産地消型のエネルギー社会の実現に向けた先駆的な例です。IHIが展開するグリーンアンモニアの製造法は、将来的にテクノロジーの普及を促進し、地球環境保全に貢献することでしょう。実証試験を経て、さらなる進展が期待されます。