意識調査から見えた生理休暇の賛否と男女間の認識ギャップ

生理休暇に対する意識調査の結果

2025年、ON-CLINICが全国の20代から50代の男性200名を対象に実施した「生理休暇」に関する意識調査。その結果は、生理休暇に対する認識の分断を明らかにしました。この調査では、制度の認知度、印象、職場での受け止め方などを探りました。

生理休暇制度への認知度

調査の結果、男性の約80％が「生理休暇」という制度の存在を知っていることが判明しました。具体的には、51.5%が「制度を知っている」と答え、さらに32.5%が「名前だけは聞いたことがある」と応じました。一方で、16%の男性は「まったく知らなかった」と答え、制度の背後にある女性の身体的な負担やその目的まで理解している男性は少ないこともわかりました。

このことから多くの男性が「なんとなく知っている」という曖昧な印象を持ちつつ、具体的な利用状況については知らないという実態が浮き彫りに。生理休暇を「女性が楽をするための制度」と誤解する背景には、こうした情報不足があるのかもしれません。

生理休暇に対する賛否の声

調査では、生理休暇についての印象を尋ねたところ、「必要だと思う」と考える男性は47.3%と多くを占めました。しかし、「悪用のリスクがある」と懸念を抱く男性も34.9%に達し、賛否が二分されている様子が浮かび上がりました。

「なくてもいい」と考える男性や「甘えのように感じる」と答える意見も。また、制度の必要性を認めながらも、「本当に全員が辛いのか」や「休みを口実にする輩が出てくるのでは」という疑念も後ろ向きのデータに表れています。生理休暇に関する理解と懸念が混在している様子がよくわかります。

職場での生理休暇取得に対する認識

職場で女性が生理休暇を取っている場合、男性の約8割は「仕方ないと思う」と回答。特に「体調次第だから仕方ない」とする意見が43.2%、さらに「自然なことだと思う」とする意見も38.9%に上りました。これは一見理解が進んでいるようにも見えますが、「仕方ない」という表現には無意識な許可の意識が含まれていることも見逃せません。

このような意識は、実際には女性の権利を特例として認めるという側面があり、問題を自分自身に向けない傾向も見え隠れしています。生理休暇は「配慮」ではなく「当たり前の権利」であるとの意識の差は男女の溝を縮めることなく、現実をより複雑にしています。

「もし自分が女性なら」生理休暇を取りたい

最後に、「もし自分が女性で月に一度の症状があるとしたら生理休暇を使いたいか」という質問に関して、89％の男性が「使いたい」と答えました。具体的に「間違いなく使いたい」との意見が29.5%、状況に応じて使うという声が56.5%に達しました。

生理痛や情緒不安定など、日常生活に影響を与える症状は多岐にわたります。しかし、実際に女性が生理休暇を取る際には「甘えに見える」や「悪用されるかも」といった意識が強く根強く残っていることも事実です。皆が同じ状態なら休みを望むのに、他者が休むことで特別扱いに感じるという微妙な意識の差が、制度理解をより難しくしています。

ON-CLINICの取り組み

ON-CLINICは、対面とオンライン診療を融合したハイブリッド型クリニック。内科、婦人科、小児科など多様な医療サービスを提供し、どこにいても診療が受けられる体制を整えています。生理休暇を含む社会的課題に対しても、意識を変えていくための取り組みを続けています。
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