干渉低周波の新研究
2025-07-28 15:53:01

金沢大学とMTGが解明した干渉低周波による筋肉の糖代謝促進効果

研究の背景と目的


最新の研究によると、加齢や運動不足の影響で表層筋だけでなく、コアである深層筋も萎縮していくことが分かっています。深層筋は姿勢の保持や起立、歩行に重要な役割を果たし、これらを維持することは転倒防止にもつながります。しかし、深層筋に対する有効な訓練方法は依然として未解決の課題です。

そんな中、金沢大学附属病院の西川裕一准教授を筆頭とした研究チームが、愛知県に本社を置く株式会社MTGと共同で、骨格筋電気刺激(EMS)が深層筋の糖代謝に与える影響を調査しました。彼らの研究は、国際的な学術誌『European Journal of Applied Physiology』に発表され、大きな注目を集めています。

EMS(骨格筋電気刺激)とは


EMSは、電流を通して筋肉を刺激し、意図的な筋収縮が困難な方でもトレーニング可能とするための技術です。これにより筋肉が強化されることは一般に知られていますが、従来のEMSでは深層筋への効果は限られていました。特に、筋力強化に関しては表層筋への影響が大きく、深層筋への刺激が不足していました。

干渉低周波の新たなアプローチ


この研究で着目されたのは干渉低周波です。これは、2つの中周波が組織内で交差することで生じる低周波で、皮膚の電気抵抗を低減させ、より深部まで電流が浸透する特徴があります。これまでの干渉波は主に疼痛軽減が目的で、筋力増強を目的としたものではありませんでした。研究チームはパルス幅を広げ、450μsecまでの調整を行うことによって、深層筋へのアクセスを可能にしました。

研究の方法


健康な成人男性16名を対象に、無作為に干渉低周波を受けるグループと通常の安静状態のコントロールグループに分け、それぞれFDG-PETを用いて筋肉活動を評価するという方法が取られました。干渉低周波群は、腰と大腿の近位部に電極を装着し、その後にPETスキャンを実施しました。

結果と考察


研究結果から、EMS群では各筋肉へのFDGの集積が確認され、統計的に有意な増加が見られました。特に腸腰筋では中程度の効果が観察された一方、他の筋肉群では大きな効果が示唆される結果となり、深層筋と表層筋が活性化されたことが明らかになりました。これにより、干渉低周波が深層筋の糖代謝を促進する可能性が高まったのです。

さらなる研究の必要性


この研究は、干渉低周波が体幹や下肢の深層筋にも影響を与えることが期待されます。今後は、臨床での応用や高齢者に対する有効性を確認するためのさらなる研究が求められます。

結論


本研究により、干渉低周波の筋肉に与える影響が新たに示され、今後のリハビリテーションやフィットネスへの応用が期待されます。金沢大学とMTGの共同研究は、新しい治療法の発展に寄与する重要な一歩となるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社MTG
住所
愛知県名古屋市中村区本陣通4-13MTG 第2HIKARIビル
電話番号
052-307-7890

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