秋の使者「アサギマダラ」が六甲に飛来
今年も六甲高山植物園に美しい渡り蝶「アサギマダラ」が飛来しました。例年よりおよそ10日早い到着で、秋の訪れを感じさせてくれます。この可憐な蝶は、唯一の渡り蝶として知られており、本州から南西諸島へと長距離を移動することで有名です。その移動距離は驚くべきもので、マーキング調査によると、1,500kmもの旅を成し遂げたこともあります。
アサギマダラは、前翅長40~60mmの美しい蝶です。その名は薄水色の翅に由来しており、青緑色の古い呼び名“アサギ”が使われています。また、雄蝶の後翅には雌にはない黒褐色の特徴的な性標があり、これにより雄雌の見分けが可能です。アサギマダラは主にキク科の植物で蜜を吸うことで知られていますが、特にフジバカマの花を好んで訪れる姿が観察されており、多くの訪問者がその優雅な姿に魅了されています。
フジバカマの重要性
六甲高山植物園では、アサギマダラが好んで訪れるフジバカマも重要な存在です。この植物は秋の七草の一つで、「藤袴」として秋の季語としても親しまれています。しかし、戦後の開発により生息地が減少し、現在では絶滅の危機に瀕しています。かつて六甲山にも自生していたフジバカマですが、今ではほとんどその姿を見かけなくなっています。これを受け、六甲高山植物園では約40年前に採取した株を基に増殖し、神戸薬科大学から譲り受けたものを栽培・展示しています。
来園情報
六甲高山植物園は、現在開園中です。開園は11月24日(日)まで続き、営業時間は10:00から17:00(最終受付は16:30)となっています。入園料は大人が900円、中学生以上、4歳から小学生までは450円です。また、駐車場は1,000円で利用可能です。
蝶や植物に興味がある方は、この機会に是非訪れてみてはいかがでしょうか。フジバカマの花が咲く姿とアサギマダラの美しさ、そして秋の風を感じる素敵な体験が待っています。
詳細情報は、
六甲高山植物園の公式サイトで確認できます。心に残る秋の思い出を作りに、ぜひ足を運んでください。