後継者不在率の現状
2025-11-21 10:22:11

2025年に向けた日本企業の後継者不在率、過去最低の50.1%を更新

日本企業の後継者不在率、過去最低の50.1%を更新



近年、日本の企業における後継者不在率が50.1%に達し、過去最低の数字を記録しました。この数値は、2016年以降の調査の中で最高だった2017年からの大幅な低下を示しており、企業の事業承継問題への意識の変化を反映しています。特に、官民の協力による相談窓口や支援メニューの拡充が、初期の段階ではあまり手が届かなかった小規模事業者にも広がりを見せており、事業承継への取り組みが活発化しています。

社長年齢別に見ると、最も高い後継者不在率は30代未満で83.2%、続いて50代が58.3%、80代以上では22.2%に低下しています。この傾向は新任社長が増える一方で、事業承継における「脱ファミリー化」が進行していることを示しています。

都道府県別の後継者不在率


企業規模における後継者不在率も明らかになっています。大企業における不在率は24.9%にとどまりましたが、中小企業では51.2%、特に小規模企業では57.3%と依然として高い数値を示しています。また、都道府県別に見ると、三重県が33.9%と比較的低いのに対し、秋田県は73.7%で全国最高の後継者不在率を記録しました。この背景には、地域経済の高齢化や人口流出、同族経営の抵抗感が影響していると考えられます。

業種別の後継者不在率


業種別では、建設業が57.3%で最も高い後継者不在率を示しましたが、全業種で不在率が60%を下回る状況は調査開始以来初めてのことです。製造業は42.4%と比較的良好で、今後さらに改善が期待できます。この状況から、企業は事業承継の重要性を認識しつつあるといえるでしょう。

事業承継のイノベーション


今後注目すべきは、内部昇格による承継が増えている点です。2025年に行われた代表者交代の中でも、血縁関係に頼らない内部昇格が36.1%を占め、「同族承継」を上回ったことは、今後の経営の多様化を示唆しています。この動向は、経営の脱家族化を進めていく上で鍵となるでしょう。

また、後継者候補の属性を見ても「非同族」が41.0%と初めて40%を超えたことが注目されます。これは企業内での能力重視、社内の人材育成にシフトしつつある現れと言えるでしょう。特に創業者の企業などでは、親族以外の候補が増え始めていることが、経営の持続可能性に貢献している傾向があります。

今後の課題


一方で、地域によっては依然として高い後継者不在率が見受けられます。特に秋田県のような地域では、同族経営に対する抵抗が根強く残っており、親族以外への事業承継が進まない状況が続いています。また、若年層の都市部への流出も深刻で、地域経済の活性化にはさらなる戦略が必要です。

事業承継を進めるうえで重要なのは、後継者の選定だけでなく、具体的な経営引き継ぎのための支援体制の整備も欠かせません。特に、経営者自身の高齢化が進む中で後継者問題は深刻化しているため、早期に承継計画を立てることがますます重要です。

今後の日本企業の未来を考える上で、後継者問題は避けて通れない課題です。経営者や支援機関が連携を強化し、地域経済の発展に寄与する取り組みを進めていく必要があるでしょう。


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