農業DX「レポサク」に新機能が追加される背景
エゾウィン株式会社(北海道標津町)の最新のお知らせが農業の現場に新たな希望をもたらします。同社は、農業DX「レポサク」に新たに「NDVI(植生指数)解析」機能を導入したことを発表しました。この機能は、一部の顧客に対して限定的に提供され、収穫支援における新たなステージを示唆しています。
NDVI(植生指数)解析とは?
NDVI解析とは、衛星が観測したデータを用いて農地の生育状態を評価する手法です。これにより、収穫に最適な時期や場所の情報を得ることが可能となり、これまで以上に合理的な農作業の計画が立てられます。特に、農作物の品質を保つためには、天候に左右される収穫適期を見極めることが鍵となります。
現場の課題をデータで解決する
農地での収穫作業は、長年にわたって人間の経験や勘に依存してきました。このため、具体的には以下のような課題が存在しています。
1. 計画の問題
大規模な圃場において、どの作物を優先して収穫すべきかの判断は、管理者の経験に頼らざるをえない現状がありました。このような暗黙知は、組織内での共有が難しく、非効率な結果につながることもあったのです。
2. 実行の問題
また、事務所で設定した計画を現場で実行するためには、数十台の車両に指示を伝える必要がありますが、この際にしばしば誤解や混乱が生じ、計画がスムーズに遂行されることは困難でした。
3. 現場のデータを活用
エゾウィンは、この「計画」と「実行」をつなぐために、新機能を開発。準天頂衛星みちびきを利用した高精度な農機の走行データと、衛星画像の生育解析データを組み合わせることで、収穫作業の質と効率を向上させます。
新機能のメリット
1. 計画の見直し
NDVI解析機能によって、圃場の生育状況が地図上で色分けされ、一目で成熟度が把握できるようになります。これにより、経験に依存しなくても「どこを収穫するのが最適か」を客観的なデータに基づき判断できるようになります。
2. 実行の透明化
オペレーターは、スマートフォンでリアルタイムに計画と進捗状況を確認できるため、誤解を招くことなくスムーズな作業が実現します。特に、収穫の忙しい時期には、この透明性が大きなアドバンテージとなります。
3. 限定提供について
新機能は2025年の収穫期に向け、一部の顧客に対しての限定的な提供を開始する予定です。現場からのフィードバックを受け、さらなる改善を行なっていく予定です。
エゾウィンのビジョン
エゾウィン株式会社は、農業の生産を支えるため、革新的な技術を通じて農業の自動化を進めています。同社の理念は、減少し続ける農業従事者の数を背景に、日本の食糧生産を確保することに尽きます。初心者から熟練者までが利用できるデータ利用の仕組みを提供し、持続可能な農業の実現を目指しています。
会社概要
エゾウィン株式会社は、2019年に設立され、北海道の酪農地帯から農業DXを推進しています。数々の受賞歴を誇り、技術革新に向けた取り組みを続けています。今後も日本の食を支えるため、技術力を発展させていくことでしょう。