自動車船「CERULEAN ACE」が世界初の火災対策認証を取得
株式会社商船三井が運航する「CERULEAN ACE(セルリアン エース)」は、最新の自主的火災対策を備えた自動車船として、2024年8月27日に一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から認証「AFVC(Additional Fire-Fighting measures for Vehicle Carrier)」を取得しました。この認証は、電気自動車の海上輸送における新たな安全基準として、船社の温かい努力が評価された初めての事例となります。
認証の背景と意義
ClassNKは、2023年8月に電気自動車の安全輸送を見据えたガイドラインを策定し、船主や運航管理会社の先進的な火災安全対策を評価するための基準を設けました。「CERULEAN ACE」は、このガイドラインの中で必要な3つの基準、「火災の早期発見」、「消火」、「固定式消火装置の信頼性向上」をいずれもクリアし、認証を受けるに至りました。
先進的な取り組み
特に注目すべきは、「火災の早期発見」に関する取り組みです。「CERULEAN ACE」には、貨物室内に煙を検知するためのカメラとAIシステムが導入されています。このシステムでは、カメラが捉えた映像をAIが解析し、異常があれば本船の乗組員および陸上の管理者に警報を発信します。これにより、火災車両の早期発見が可能となり、効率的な対処が期待されています。
今後の展望
この認証取得は、商船三井が取り組んできた先進的な火災対策がClassNKによって正式に評価されたことを意味します。商船三井は年間数万台の完成車を安全に輸送するリーディングカンパニーとして、今後も更なる火災防止策の強化と安全な輸送体制の構築に力を入れていきます。
「CERULEAN ACE」のスペック
- - 船型: 7,050RT 型 LNGDF 自動車運搬船(高圧式主機)
- - 建造ヤード: 新来島どっく 本社大西工場
- - 全長: 199.95 メートル
- - 型幅: 38.00 メートル
- - 最大積載自動車台数: 7,050 台
「CERULEAN ACE」の革新的な技術の導入は、今後の海上輸送において重要な意味を持つとともに、電気自動車の普及に寄与することが期待されています。この船は、単なる運搬手段にとどまらず、安全な輸送を実現するためのシンボルとも言える存在です。商船三井はその責任を真摯に受け止め、さらなる技術革新を目指していくことでしょう。