不登校問題への理解と支援が求められる現代の家族の実態
先日、サイボウズ ソーシャルデザインラボが実施した1,000名の親を対象とした調査から、不登校や行き渋りの子どもに関する様々な社会的課題が浮かび上がりました。本調査は、不登校の実態を把握し、適切な支援を模索することを目的として行われました。
調査の背景
文部科学省の最新の発表によると、昨年度は不登校の小中学生が34万6482人と、11年連続で増加しています。このような状況に対し、親はどのような支援を求めているのか、どのように子どもたちと向き合っているのかを探るために、サイボウズは調査を行いました。
調査概要
- - 対象: 不登校または行き渋りがある小中学生の保護者男女計1,000人。
- - 期間: 2024年11月15日から20日まで。
- - 方法: パネルを活用したインターネット調査。
調査結果のポイント
親が最も頼りたいのは配偶者
調査によれば、子どもが不登校になった場合に最も頼りたい相手は、配偶者(パートナー)であることが分かりました。自由回答では、「配偶者と意見が合わず、対応に苦労している」との声が多数挙がっています。この結果は、親同士のコミュニケーションを深める必要性を示しています。
子どもの新しい居場所に関する意識
全く学校に登校していない子どもは18.5%ですが、「新たな居場所を検討していない」と答えた親が40.6%と、フリースクール等の選択肢に対する認知が不足していることが分かります。しかし、実際にフリースクール等に通うことで不登校の傾向が「改善された」と回答した親は68.5%に達しました。これは、新たな学びの場を設けることが有効であることを示唆しています。
新しい居場所選びの重要なポイント
親が新たに選ぶ居場所で重要視している点は、「子どもが行きたがるか」という点です。これは、単に通いやすい場所や価格ではなく、子ども自身の意欲を重視する傾向にあることを示しています。
フリースクールの重要性
フリースクールを選ぶ際に最も重視されるのは「先生とスタッフの質」であり、経験豊富な教育者からのサポートが評価されています。これは、価格や通いやすさよりも、高度な教育者による支援が保護者にとって重要であることを意味します。
課題と今後の展望
今回の調査結果は、不登校の問題が非常に個別的かつ複雑であることを教えています。子どもたちの支援には、親が抱える問題や不安にも目を向け、コミュニケーションの重要性を重視する必要があります。また、フリースクールや多様な学びの場の設置も重要であり、これに加え、より多様な支援が求められています。
今後の取り組み
サイボウズ ソーシャルデザインラボは、引き続き不登校に関する調査と支援を行っていきます。そして、親・子ども・教育者がより良いコミュニケーションを取り、互いに支え合えるような社会の実現を目指します。
参考リンク
不登校問題は今後も社会的な関心を集めるテーマであり、家庭・学校・社会全体が連携して解決を目指すことが求められています。