新型エッジAIコンピュータ
2024-02-29 12:50:02
ユリ電気商会が発表した新型エッジAIコンピュータ「Kaki Pi」を紹介
ユリ電気商会の新型エッジAIコンピュータ「Kaki Pi」
株式会社ユリ電気商会(本社:大阪市北区)は、急速に成長している自律型ロボット市場において、計算性能の不足と高コストの問題を解決するため、強力なエッジAIを搭載した小型コンピュータ「Kaki Pi」を開発しました。この製品はSBC(Single Board Computer)として一般的な形状を持ち、既存のシステムと容易に置き換えることが可能です。
「Kaki Pi」とは?
「Kaki Pi」は、ロボティクスやIoT(Internet of Things)で広く使われているSBCの標準形状を採用しており、既存の自律型移動ロボット(AMR)や人間支援ロボット(HSR)などとの互換性が高いのが特徴です。名前の由来は、輸出を拡大している日本の果物「柿」であり、この新製品の性能向上が期待されています。
本製品では、主にAMRやHSRの小型ロボット、ドローン、CCTV、生産設備のビジョンセンサ、さらにはホビーロボットや教育機関での利用が想定されています。目標生産台数は年間3,000台で、新しい技術革新を通じた持続可能な未来を目指しています。
そのコアには「RZ/V2H」
「Kaki Pi」の心臓部には、ルネサスの最新AI-MPU「RZ/V2H」が採用されています。このプロセッサは強力なAI処理能力を持ち、マルチコア・プロセッサにより並列処理が可能です。これにより、ロボットやセンシング機器の制御能力が大幅に向上し、コンパクトかつ低消費電力な設計が実現できています。
多彩な接続端子と親しみやすいデザイン
「Kaki Pi」は、業界で広く使用される端子配列のGPIOやUSB、Ethernet、CANなどの一般的な接続端子を多く備えており、非常に使いやすい設計です。特にCAN端子はロボットのアクチュエータを直接制御するために設計されています。
また、MIPI-CSI映像入力端子やMIPI-DSI出力端子により、HD映像を4ch同時に処理することが可能です。PoE(Power over Ethernet)対応の電源入力端子も備えており、さまざまな用途にフィットします。
企業の思いとビジョン
ユリ電気商会の代表取締役木内正人社長は、少子高齢化が進む中でロボット技術の重要性に触れ、Kaki Piが企業やエンジニアにとっての新たな可能性を提供することを強調しています。現在のモビリティやロボティクス分野の成長は、今後の社会における重要な要素となるでしょう。
さらに、ルネサスのプロダクトマーケティング部長である川嵜圭吾氏は、「Kaki Pi」が高いAI性能を持ちながら、使いやすい形状を実現するという点について自信を表明しています。そして、彼は世界中のエンジニアがこの新しいプラットフォームを使って、これまで見たことのないエッジAIアプリケーションを創造する未来を楽しみにしていると語っています。
まとめ
「Kaki Pi」は、今後のロボティクスとエッジAIの分野で注目される製品です。ユリ電気商会は2024年4月末にこの製品の販売を開始し、世界中のエンジニアたちに多くの価値を提供することを目指しています。さまざまな産業における応用可能性を考えると、将来的な展開にも期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社ユリ電気商会
- 住所
- 大阪府大阪市北区西天満1-2-5大阪JAビル 13階
- 電話番号
-
06-6809-2280