リンクアンドモチベーションの新しい挑戦
株式会社リンクアンドモチベーションは、全社を挙げて生成AIを活用する取り組みを進めています。この活動の目的は、2025年9月末までにコンサルティングおよびクラウド事業において「全社員のAI活用人材化」を実現することです。生産性向上を目指し、AIを業務改革の中心に据えるこの計画は、企業経営にとって重要な一歩となるでしょう。
背景
同社は人的資本経営を推進し、事業戦略と組織戦略の最適化を図っています。その中で「生産性」を重要なKGIとして掲げ、生産性向上に向けた取り組みを強化しています。2024年には特定のコンサル専門チームで生成AIを活用し、前年対比で実に140%の売上を達成しました。このような成功を基に、2025年には全社的にAIの活用を進めるための新しい施策を導入します。
全社展開へのステップ
2024年に得た成功体験を生かし、2025年にはそのナレッジを「再現可能な仕組み」として横展開する計画です。「狭く深く」進めた取り組みを「AI活用メソッド」として標準化し、各組織に伝えることで、AI活用人材の育成と組織全体の生産性アップを図ります。具体的には、DXを推進する役割としてTechnology Administrator(TA)を再配置し、専任の推進者を置くことにしました。
具体的な施策
TAの再配置
2021年4月からDX推進を担当していたTAの役割を明確にし、業務効率化を促進します。これまでは兼務者が多かったですが、2025年からは専任化して再配置します。目標を設定し、エンジニア組織が主体となって初期トレーニングを実施。また、高いITスキルだけでなく、独自の適性検査を基に人選を行い、人材特性を重視した組織作りを目指します。
AI技術の多様な活用
さまざまなAIツールを業務に応じて採用しています。一般業務では、ChatGPTやGemini、資料作成にはGammaやMarp、開発業務にはGithub CopilotやCursorなどが活用されています。これにより、業務時間の削減が実現され、生成AIを使いこなす人材が大幅に増加しています。
成果と社員の声
これらの取り組みにより、業務時間は前年比で約482%削減され、AIを日常的に活用する人材は249名に達しました。社員からは「AIでできることが増えた」との声もあり、実感として変化を感じています。また、AIを使うことで業務の負担が軽減され、やりがいを感じる瞬間が増えているようです。特にAI活用メソッドをTAから学ぶことで、より効果的に業務を進められるとの意見も多く寄せられています。
今後の展望
2025年には新卒社員への生成AI研修を組み込み、業務での活用を当たり前にする方針です。加えて、グループ全体でのDX支援を拡大し、生成AIを利用した新たな商品やサービスの開発を進めます。自社の取り組みを拡大し、顧客への支援にも注力し、さらなる事業インパクトを創出していく予定です。リンクアンドモチベーションの挑戦は、企業におけるAI活用の未来を切り開く新たな一歩となるでしょう。