新たな医薬品開発へ
2020-07-15 10:02:13
ナカライテスクとSCAD、戦略的業務提携で医薬品開発の新時代を切り開く
ナカライテスクとSCADの新たな業務提携
最近、ナカライテスク株式会社と株式会社幹細胞&デバイス研究所(以下、SCAD)が戦略的な業務提携を結ぶことを発表しました。この提携は、医薬品開発におけるさまざまな課題に対処し、細胞デバイス技術を活用することを目的としています。医薬品の開発過程では、多くの新薬候補がその有効性不足や毒性により開発中止を余儀なくされているのが現状です。このようなリスクを軽減するために、両社は協力して新たな手法の開発に取り組みます。
細胞デバイスの進化
近年、Organ-on-a-chipやMicrophysiological Systemと呼ばれる、ヒトの生体を模倣した細胞デバイスが急速に注目されています。これらの技術は、新薬候補の効果や副作用を早期に評価する手段として、医薬品業界だけでなく農薬や化粧品分野にも応用が期待されています。SCADは、独自の細胞デバイスを用いて、心筋細胞や神経細胞などを3次元培養の形で構築し、安定した機能的な細胞の成熟を実現しています。この技術を使用することで、疾患モデルを形成し、治療法の開発を促進することが可能です。
協力の目的と成果
ナカライテスクは、1846年の創業以来、試薬や機材の提供を通じて生命科学研究を支えてきました。これまでに培ってきた販売網や研究用試薬の知見を活かし、SCADの細胞デバイス技術と連携することで、さらに多くの可能性を追求することが期待されます。両社の協力の中で、原材料の調達や共同研究、顧客へのプロモーション活動を展開し、医薬品や農薬、化粧品開発を通じたソリューションの提供を目指します。
シャルコー・マリー・トゥース病への取り組み
特に注目すべきは、SCADがイニシアチブをもって進めているシャルコー・マリー・トゥース病への研究です。この病気は手足の運動や感覚に障害をもたらし、現在も効果的な治療法が確立されていません。SCADは患者の血液から新たなiPS細胞株を樹立し、その細胞を用いて疾患モデルを構築することで、早期の治療法開発を目指しています。これにより、生命科学の分野における貢献は大きくなるでしょう。
未来の展望
ナカライテスクとSCADは、この業務提携を通じて健康社会の実現に向けた新技術の開発に挑んでいます。両社の知見を融合させることで、より革新的な研究成果が期待され、医薬品開発の新たなスタンダードを創出する可能性もあります。今後の展開に注目です。両社が手がける研究が、医療業界や研究機関においてどのような進展を見せるのか、多くの人々が注目しています。
これからの医薬品開発における新たな業界標準を形成するこの提携は、細胞デバイス技術の進化と共に、広範な分野への影響を広げることでしょう。
会社情報
- 会社名
-
株式会社 幹細胞&デバイス研究所
- 住所
- 京都府京都市下京区鶏鉾町480番地オフィス・ワン四条烏丸11階
- 電話番号
-
075-744-1114