高圧で円偏光発光
2025-09-10 16:34:00

高圧環境下での円偏光発光計測に成功!次世代技術への期待

近畿大学の理工学部において、応用化学科の教授、今井喜胤氏と准教授、北松瑞生氏を中心とした研究グループが静水圧100MPaという極めて高い圧力下で円偏光発光の計測に成功しました。この成果は、我が国における光学現象の理解を深める重要なステップであり、特に次世代のセンシング技術や光通信技術の発展に大きな期待が寄せられています。

円偏光発光は、物質が特定の方向に振動する光に変換される現象であり、その情報を基に新たなセンシング技術の確立を目指しています。これまで高圧環境下での研究は行われていませんでしたが、今井教授らのグループが独自の測定方法を開発し、世界で初めて実現しました。

研究チームは、8種類の分子を用い、それぞれの物質が持つ特性を100MPaという静水圧下で詳細に解析。これにより、従来の大気圧下では得られなかった新たな光学特性が確認されました。具体的には、圧力によって発光の強度が変化し、波長の微小な変動も観察されました。この発見により、高圧条件下での円偏光発光の特性を利用した新たなセンシング技術の開発が期待されます。

本成果は、今後の光センサーや圧力応答型の表示、さらには光通信技術への応用を視野に入れた研究に寄与することでしょう。この技術が進化することにより、従来の技術では解決が難しかった環境変動の検知や物質の特性評価が可能になると考えられています。

また、この研究の詳細は、2025年9月8日に日本化学会の国際誌「Chemistry Letters」に掲載予定です。今井教授は、今回の研究成果が、未来の光学技術を牽引する一助となることを確信しており、特に圧力を利用した定量的な応答解析は、極限環境でのセンシング技術の発展において重要な役割を果たすと語っています。

この研究は、科学研究費の補助金や既存の研究機関と協力し解析されており、更なる技術革新を目指して進められています。今後も、これらの技術が新しい製品やサービスの開発に貢献し、我々の日常生活を一層豊かにすることが期待されています。

高圧下での円偏光発光の計測という新たな挑戦は、まさしく科学の最前線に立つ重要な研究であり、その成果がどのように実社会に応用されていくのか、今後の展開に目が離せません。


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