インドネシア・スコワティ油田におけるCO2圧入試験の開始
インドネシア・スコワティ油田で、CO2を地下に圧入する実証試験が始まりました。この試験は、JOGMEC(海外資源開発機構)とインドネシア国営石油会社であるPT Pertamina(プルタミナ)およびその関連会社PT Pertamina EP(PEP)、また日本の石油資源開発株式会社(JAPEX)との共同によるもので、カーボンニュートラル達成に向けた重要な取り組みの一環です。
この試験は、2023年7月から始まった技術スタディの成果を基に進められ、2024年10月8日に実際の圧入がスタートしました。約1ヵ月間をかけて、合計2,500トンのCO2が地下に圧入され、周辺の生産井でEOR(Enhanced Oil Recovery)効果と貯留効果が確認されます。これにより、将来的な商業開発に繋がる可能性が高まります。
スコワティ油田は、大規模なCO2排出源に近接しており、地下の貯留層条件もCO2-EORに適していると高く評価されています。実施されるデータは、アジアにおけるCO2-EOR技術の商業化に向けた重要な基盤となるでしょう。この取り組みは、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)やアジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)の一環として行なわれており、地域の持続的な発展に大きく寄与するものです。
JOGMECは、今後もエネルギー安全保障の強化や、インドネシアを含むアジア地域のカーボンニュートラルの実現に貢献していくとしています。本試験の成果が、アジア地域全体のCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage)ネットワーク構築に寄与することが期待されています。
おわりに
スコワティ油田でのCO2圧入試験は、私たちのエネルギー政策だけでなく、地球環境における持続可能性にとっても重要な意義を持ちます。これからも、様々な地域でのこのような取り組みが進むことが求められます。ガイドラインに基づく監視と評価が、より良い未来のために必要です。