京藍染師 松﨑陸 企画展「Cloud particles」
2024年10月30日から11月5日まで、大丸京都店の特設会場において「京藍染師 松﨑陸 企画展」が初めて開催されます。この展示会では、自然由来の繊維と天然染色のみを使った藍染の美しさと、それを支える文化について紹介される予定です。入場は無料で、アートパネルや屏風、ストール、Tシャツといった多彩な商品が展開される予定です。
京都大原野で栽培される「京藍」を用いた作品が並ぶことになるこの企画展は、松﨑氏自身の手掛けた藍染を通じて、約100年前に消えかけたこの伝統技術を復活させる挑戦でもあります。松﨑氏は、自らが育てた藍を使用し、古代から受け継がれてきた技法に基づいています。
京藍との運命的な出会い
松﨑陸さんは1990年に京都で生まれ、染織家を目指して修業を重ねてきました。彼と京藍との出会いは、修業中に知った古い文献によるもので、育った洛西地域が日本で最高品質の藍を生産している場所であったことに感銘を受け、自らの手でその美しい藍の染色を行う決意を固めました。
松﨑氏の主眼は約1300年前の藍染が色あせることなく残るその技法にあり、彼は「Cloud particles」というタイトルに込めた思いを、藍染の微生物たちに表現しています。
微生物の力で生まれる藍色
藍染の染料は藍の葉から微生物の力を借りて発酵させることで生まれます。この微生物は目に見えない存在であるものの、その力が美しい藍色を生み出すためには必要不可欠なのです。松﨑氏は、染液の中に住む微生物たちを、宇宙に存在する人類という観念で捉え、「Cloud particles」というタイトルで自身の作品を発表しています。
松﨑陸の成長と活動
松﨑氏のキャリアは2013年、ニューヨークで藍染に出会ったことから始まりました。その後、長い修行を経て、2020年には「染司よしおか」での活動に取り組むこととなります。彼は独立後、6100坪の畑を借り、伝統的な手法で栽培した京藍を復活させる活動を展開しています。この取り組みは、単に藍染の復活に留まらず、自然環境への配慮にも満ちています。
企画展の見どころ
この企画展では、松﨑氏が生み出した染色作品が並ぶほか、藍染の魅力やその背景に関する解説も行われます。現代に甦った京藍の美しさが、参加者に新たな文化体験をもたらすでしょう。特設会場は大丸京都店の1階に設けられており、文化とアートが交差する特別な空間が待っています。乞うご期待!
著名なコラボレーション
また展覧会の期間中、松﨑陸氏はイタリアのラグジュアリーレザーブランド「ヴァレクストラ」とのコラボレーションも発表しています。限定商品の販売も行われ、京藍を用いた独自のデザインが楽しめます。販売はCasa Valextraで行われ、数量限定となりますので、興味のある方はお早めに訪れることをお勧めいたします。
この企画展を通じて、京藍染の魅力を再発見し、未来を見据えた日本の文化を楽しむ特別な機会をぜひお見逃しなく。