インテグリティ向上と逆風
2024-08-20 12:44:37

企業のインテグリティ規範向上も逆風が続く!EYの最新調査結果

企業のインテグリティ規範向上も逆風が続く!#



EYが発表した「EYグローバルインテグリティレポート2024」によると、企業のインテグリティ規範は過去2年間で改善が見られたものの、その背景にはさまざまな外的圧力が横たわっています。本調査では、53の国と地域から5,464人の従業員と役員を対象に行われ、その結果が示されています。

インテグリティ規範の改善



調査の結果、回答者の49%が自社のインテグリティ規範がこの2年間で向上したと感じていることが分かりました。特に、管理職からの指導強化(61%)や規制の厳格化(48%)が主な要因として挙げられています。また、従業員の90%は関連法規や業界規制に従っていると信じていることも重要なポイントです。これは、企業の倫理意識が高まっている兆しでもあります。

しかし、厳しい外的圧力



一方で、インテグリティ規範の改善が見られるとはいえ、厳しい市場環境や地政学的脅威、サイバー攻撃など、内外からの圧力は強いままです。調査では、50%の回答者が、現在の経済状況が従業員の行動に影響を及ぼしていると感じていることが示され、また約30%は社内規程の理解不足を問題視しています。さらに、31%の人々が上位者やハイパフォーマーに対して非倫理的行動が容認されると見ており、これらの要因がインテグリティ規範を圧迫しています。

コミュニケーションギャップ



調査では、企業内での倫理的行動の重要性が適切に伝わっていないことも明らかになりました。役員や管理職は倫理の重要性を強調している一方で、一般従業員の理解度は低いというギャップが広がっています。このことは、インテグリティ規範の維持において深刻な課題と言えるでしょう。

声を上げられる文化の必要性



不正行為を発見した従業員が安心して声を上げられない状況は危険信号です。調査によると、54%の人々が通報するべきではないと感じる圧力を経験しており、特に日本ではその傾向が顕著です。この状況を改善するには、企業が内部通報を活性化し、声を上げた従業員を守るための文化を醸成していく必要があります。それに向けた取り組みが企業の持続可能な成長に繋がります。

まとめ



EYの調査は、企業のインテグリティ規範が向上している一方で、根深い問題も抱えていることを示しています。管理職の指導力や規制の厳格化がプラスに働いていることは評価される一方で、実際の従業員の行動に対する圧力やコミュニケーション不足、声を上げられない文化といった課題解決に向けた施策の強化が求められています。企業はこれらの逆風に立ち向かい、信頼の維持に努める必要があります。

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