花王、米国テキサス州に新工場を設立
花王株式会社は、米国テキサス州パサデナ市に新たに三級アミン生産工場を設立しました。2025年8月22日には竣工式が行われ、新工場は年間20,000トンの生産能力を持つとされています。この新たな工場は、米国市場における花王のさらなる成長を支える重要な役割を果たすことが期待されています。特に中長期的には、安定した供給体制が強化されることで、競争力が高まるでしょう。
三級アミンは、殺菌剤や洗浄剤といった界面活性剤に使用される大変重要な化学原料です。花王は既に日本、フィリピン、ドイツの拠点で、独自の技術を駆使し高品質な三級アミンを製造・供給しており、今回の新工場設立により米州・欧州・アジアの三極生産体制が確立されます。これにより、グローバル市場においてより速やかで安定した供給が可能となるでしょう。
環境への配慮
新工場の設立は、サプライチェーンの効率化にも寄与します。現地での生産により、輸送に伴うCO₂排出量の削減が期待され、持続可能な業務運営を追求する姿勢が示されています。花王は、企業の社会的責任にも配慮し、環境負荷の軽減に努める方針を堅持しています。
ケミカル事業部門のさらなる成長
花王のケミカル事業部門は、中期経営計画である「K27」においてグローバル・シャープトップを目指しており、今回の新工場はその象徴となるものです。ケミカル事業部門統括の浜田大輔氏は、この工場の設立が北米市場のみならず、世界中の多様な産業分野にも安定的な供給をもたらすことを強調しています。
また、パサデナ工場では、約45ヘクタールにわたる広大な敷地を持ち、三級アミンだけでなく、その誘導体の製造も検討されています。この取り組みによって、社外のパートナーとの共創を進めるプラットフォームとして機能することが期待されており、エコシステム全体のバリューチェーンの強化にも貢献するとされています。
未来に向けた挑戦
花王のケミカル事業部門は、これからもグローバルに成長する基盤を築くためにさまざまなチャレンジに取り組む意向を示しています。すでに油脂や高分子に関連する豊富な研究知見をもとにして、様々な産業界に向けた製品やソリューションを提供しており、今後も幅広い領域で社会の課題解決に寄与していくでしょう。
新たな三級アミン生産工場の設立は、花王にとって新しいスタートを意味するものであり、顧客や社会からの期待に応えるために全力を尽くす姿勢が伺えます。みんなが笑顔になれる未来を目指して、さらなる成長が期待される花王の取り組みを注目したいところです。