ヒートポンプ・蓄熱システム普及拡大に向けた提言書公表 - 脱炭素化社会実現への貢献を目指して
エネルギー自給率が低い日本では、安定供給とエネルギー安全保障、経済成長、脱炭素化の同時実現が大きな課題となっています。次期エネルギー基本計画では、これらの課題を確実に解決できる計画となるよう、議論を進めていく必要があります。
その中で、需要側における脱炭素対策の切り札であり、再生可能エネルギーの活用促進にも貢献するとして、次期エネルギー基本計画における重点項目に位置付けられるべきなのが、「ヒートポンプ・蓄熱システム」です。
ヒートポンプ・蓄熱システムは、今後ますます重要な役割を担うことが期待されています。しかし、普及拡大のためには多くの課題も存在します。これらの課題解決に向けて、以下の提言を行いました。
提言内容
1.
政策・施策への反映: ヒートポンプ・蓄熱システム普及拡大の方向性を、政策・施策に明確に反映させること。
2.
コスト支援: ヒートポンプ・蓄熱システムの導入にかかるコストを支援すること。
3.
技術支援: ヒートポンプ・蓄熱システムの導入促進を目的とした技術支援を拡充すること。
4.
設置主体への支援: ヒートポンプ・蓄熱システムの設置主体である開発事業者、施工業者等への支援を実施すること。
5.
柔軟性活用促進: ヒートポンプ・蓄熱システムの柔軟性(フレキシビリティ)を最大限に活用すること。
6.
認知度向上: ヒートポンプ技術の特性・利点の認知度向上に向けた働きかけを強化すること。
ヒートポンプ・蓄熱センターの取り組み
当センターは、これまでヒートポンプや蓄熱システムの普及啓発活動、技術支援・技術開発、国際活動等に積極的に取り組んできました。しかし、ヒートポンプの一層の普及拡大を実現するためには、当センターがより主導的な役割を果たす必要があると考えています。
今後、政府・自治体等の政策立案支援の中心的な役割を担うとともに、施策運営主体としての下支え、普及啓発活動の充実、海外の政策関係者等との連携強化等に取り組むことで、ヒートポンプ・蓄熱システムの普及拡大に貢献していきます。
ヒートポンプ・蓄熱システム普及拡大に向けた提言 - 持続可能な社会への貢献
この提言書は、日本のエネルギー政策における重要な転換点となる可能性を秘めています。ヒートポンプ・蓄熱システムは、再生可能エネルギーの活用促進、CO2排出量の削減、エネルギー効率の向上など、持続可能な社会の実現に大きく貢献できる技術です。
提言では、コスト面や技術面、認知度など、普及拡大における様々な課題が指摘されています。これらの課題克服のためには、政府、企業、そして国民一人ひとりの意識改革と協力が不可欠です。
政府は、ヒートポンプ・蓄熱システムの普及拡大に向けた具体的な政策を策定し、財政支援や規制緩和など、積極的な取り組みを進める必要があります。企業は、技術開発や製品開発を進め、より高性能で低価格なヒートポンプ・蓄熱システムを市場に提供する必要があります。
国民は、ヒートポンプ・蓄熱システムのメリットを理解し、積極的に導入することで、脱炭素化社会の実現に貢献することができます。
この提言書が、エネルギー政策の転換点となり、ヒートポンプ・蓄熱システムが日本の社会に広く普及していくことを期待しています。