JERAが豪州スカボローガス田の開発プロジェクトで債務保証を取得
プロジェクトの背景と目的
株式会社JERAは、オーストラリアのスカボローガス田において天然ガス開発事業に取り組んでおり、子会社であるJERA Scarborough Pty Ltdを通じて進行中です。このたび、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)から、債務保証対象事業として認められ、プロジェクトの実施が強化されることとなりました。
JOGMEC本部(東京都港区)、理事長の髙原一郎氏のもと、このプロジェクトは2024年3月に債務保証対象として正式に採択されました。これはJERAが2024年2月にウッドサイドエナジーグループの子会社とともに、スカボローガス田の権益15.1%を獲得する契約を結んだことが大きな要因です。
プロジェクトの詳細
本プロジェクトは、スカボローガス田から天然ガスを生産し、海底パイプラインを通じてプルート液化基地に輸送、その後LNGを生産するというものです。2026年に生産を開始する予定で、年間最大約800万トンのLNG生産が見込まれていますが、JERA Scarborough社はそのうちの最大約120万トンを確保する予定です。
このスカボローガス田で生産される天然ガスのCO2含有率は、わずか0.1%未満と非常に低く、環境への影響を抑えた形でのエネルギー供給が期待されています。天然ガスやLNGは他の化石燃料に比べてCO2の排出が少ないため、世界が脱炭素化に向かう中で重要な役割を果たします。
日本企業としての意義
すでに他の日本企業もこのプロジェクトに参加していますが、JERAの新たな参画により、日本企業全体の権益は合計で25.1%となります。この債務保証の獲得は、エネルギーの安定供給を確保し、日本のエネルギーセキュリティの向上に寄与するものと評価されています。
JOGMECは、今回の債務保証によって日本企業の環境負荷低減に資する取り組みが進むとともに、脱炭素化の加速に繋がることを期待しています。
今後の展望
今後もJOGMECは、日本企業が海外でのエネルギー安定供給の確保に向けた努力を支援していく姿勢を示しています。この債務保証の背後には、経済産業省との連携があり、政府の意向も含まれています。
プロジェクトが順調に進展すれば、エネルギーの安定供給や脱炭素化の実現に向けて大きな影響をもたらすでしょう。さらに、オーストラリアという地理的に有利な位置は、日本にとっての戦略的な資源供給源となります。
事業実施会社の情報
この事業はJERA Scarborough Pty Ltdが担い、2024年2月1日に設立されました。本社はオーストラリアの西オーストラリア州パースにあり、株主構成はJERAが100%を占めています。
私たちは、今後のプロジェクトの進捗を見守りつつ、脱炭素化への取り組みに期待が寄せられています。