江戸前寿司の老舗が語る伝統と革新
創業から90年の歴史を持つ「銀座久兵衛」。その二代目主人である今田洋介が手掛けた著書『銀座久兵衛 頂のない山を登りつづける』が5月15日(木)に発売されます。この本は、長年にわたり日本の寿司文化を牽引し、多くの食通に愛されてきた同店の歴史と哲学を深く掘り下げた作品です。
本書の背景と意義
1935年に創業した銀座久兵衛は、創業80周年を迎えた際に、新型コロナウイルスの影響を克服するための経営戦略が求められました。このような困難を乗り越え、さらなる成長を目指す今田洋介が、本書を通して伝えたいのは「握り一筋、生涯現役」という姿勢です。時代の変化に敏感に対応しながら、日本の伝統を守り、常に最良を追求しています。
銀座久兵衛の伝統と革新
初代主人の今田壽治が築いた基盤の上に、今田洋介が現代のニーズに応じて進化させてきた銀座久兵衛。例えば、客が持参するウニに応じた軍艦巻きの考案は、顧客満足度を最優先に考えた結果です。今田洋介の時代でも、その伝統は色褪せることなく、料理の提供方法や食材の選定においても影響を与え続けています。
技術とおもてなしの精神
銀座久兵衛の板前たちは、単なる料理人ではなく、エンターテイナーとしての役割を果たしています。素材の本来の味を引き出すために厳しい修業を経て、感動を呼ぶ料理を提供。著書には、名立たる文化人や歴史的人物たちとのエピソードも登場します。これは、寿司が文化的な価値を持つことを示しています。
現場第一主義の徹底
今田洋介が掲げる「現場第一主義」。全てのサービスにおいて常に改善を追求し、顧客の期待を超える体験を提供しています。高級寿司店で一般的に見られる「時価」を取りやめ、価格設定の透明性を高めている点も、その一環です。すべてのスタッフが高いホスピタリティを持ち、どんな顧客にも最高のおもてなしを実践しています。
未来への挑戦
2020年初頭のパンデミックの影響を受けながらも、銀座久兵衛は持続可能な経営を志向し、次世代の育成にも注力しています。今後の10年を見据えたBCPやSDGsの取り組みも含め、未来を創造する組織戦略は本書に詳述されています。
目次
本書は、創業からの伝統を描く「昭和編」、従業員の満足を重視した改革を語る「平成・令和編」、そして未来を見据えた「久兵衛イズム編」の三部構成です。これらの章を通じて、読者は銀座久兵衛の哲学や挑戦を学び、さらなる深い理解を得ることができるでしょう。
まとめ
著書『銀座久兵衛 頂のない山を登りつづける』は、銀座久兵衛の長い歴史とそれを支える哲学、そして未来へのビジョンを示す重要な一冊です。江戸前寿司の伝統を守り続けながらも、挑戦を忘れない精神を垣間見ることができるこの本。2025年の90周年を迎えるにあたり、寿司文化の深遠を知るために是非手にとってみてはいかがでしょうか。