大樹町の地上局新設
2025-10-29 12:01:17

アークエッジ・スペースが大樹町に地上局を新設し海洋通信網を強化

アークエッジ・スペース、北海道大樹町に新たな地上局を設置



株式会社アークエッジ・スペースは、北海道の大樹町に新たな衛星地上局を設けました。この地上局の設置は、同社が手掛ける超小型衛星コンステレーションの運用をさらに強化する重要な一歩であり、関係者から大きな期待が寄せられています。

地上局の役割と意義


地上局は、衛星との通信において欠かせない施設です。具体的には、衛星からの信号の送信やデータの受信を行うためのアンテナを備えています。今回設置された大樹地上局は、アークエッジ・スペースの衛星運用基盤の中核として、複数の衛星との安定した通信を確保する役割を担います。

衛星通信は、一般的な携帯電話の電波に比べて信号が非常に弱く、天候や地上からの電波干渉の影響を受けやすい特徴があります。それゆえ、地上局の選定には厳しい条件が求められ、アークエッジ・スペースは、気象条件、電波環境、地域の協力体制を考慮し、大樹町が最適であると判断しました。

大樹町の地域特性


大樹町は、宇宙関連事業の誘致や支援に積極的な地域であり、多数の宇宙企業がすでに進出しています。このような環境は、アークエッジ・スペースの事業展開にも大きなプラス要因となるでしょう。

大樹地上局の設置背景


この地上局の設立は、アークエッジ・スペースの目指す次世代の海洋インフラ整備に深く関係しています。同社は、以下の三つの領域での研究・開発・実証を進めています。

1. VDESによる海洋活動への貢献
VDES(VHF Data Exchange System)は、AIS(船舶自動識別装置)の進化形です。これにより、船舶間で双方向のデジタル通信が可能になり、遠方海域でのリアルタイムな情報交換が実現されます。

2. 海洋観測技術の向上
すべての船舶の位置把握は安全保障面で重要ですが、AISが搭載されていない船舶や信号を偽装した船舶も存在します。このため、アークエッジ・スペースは、マリンレーダなどの電波を衛星で観測し、AISに頼らない船舶位置の推定を目指します。

3. 衛星IoTによるデータ収集
陸上や洋上に設置されたセンサからのデータは、これまで通信インフラに依存していましたが、アークエッジ・スペースは、IoT通信機を搭載した衛星を用いて、この限界を克服すべく研究を行っています。

大樹地上局の設置概要


新たに設置された大樹地上局は、アークエッジ・スペースの基盤を支える拠点として、以下のような設備を有しています:
  • - アンテナ高さ:5m
  • - パラボラアンテナ径:3.9m
  • - 対応周波数帯:Sバンド、Xバンド、Kaバンド
  • - IoT用通信アンテナも併設

さらに、一部の設備はNEDOが推進するプログラムの一環として整備されています。

会社概要


アークエッジ・スペースは、東京に本社を置く宇宙スタートアップ企業で、超小型衛星コンステレーションの企画から運用までを行っています。彼らは、「衛星を通じて、人々により安全で豊かな未来を」の実現に向け、今後も宇宙の開発や活用を推進していく予定です。


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会社情報

会社名
株式会社アークエッジ・スペース
住所
東京都江東区有明一丁目3番33号ドーム有明ヘッドクォーター3階
電話番号
03-5844-6474

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