少子化問題の課題
2019-05-31 10:59:29

日本の少子化問題と出産意識調査から浮かぶ課題とは

日本における少子化問題の現状と課題



公益財団法人1more Baby応援団が実施した「夫婦の出産意識調査2019」の結果が発表され、日本の少子化問題とその影響を強く示すデータが浮かび上がりました。この調査は、2013年に始まり、2023年で7回目を迎えるものであり、既婚者2,961名と不妊治療を経験した1,021名を対象に行われました。

出産環境への不安



調査の結果、「日本は子どもを産みやすい国には近づいていない」との回答が67.8%に達しました。また、「育てやすい国に近づいていない」との認識も67.4%にのぼります。この背景には、「社会制度が整っていない」(76.6%)、「保育や学校にかかる費用が高い」(68.8%)、さらに「給与が上がる見込みがない」(65.8%)という声が多く寄せられ、出産や育児に対する経済的負担が大きいことが指摘されます。

「二人目の壁」とは



また、調査対象の73.5%の夫婦が「二人目の壁」を実感していると回答しており、この数値は7年連続で70%を超えています。「二人目の壁」の主な理由としては、経済的な要因が82.0%と最も高く、第一子の子育てで手一杯であることが48.6%、年齢的な理由が44.5%となっています。このような背景には、働く女性と専業主婦の育児環境や職場の制度の違いがあることもわかります。

働き方と育児のストレス



さらに、調査では「勤務する会社の働く環境は良い方向に向かっていない」との回答が60.5%を記録しました。産休や育休の取得に対して上司や同僚の目が気になるとの声も多く、育児に関する社内制度の改善が求められています。特に、「時短勤務やテレワーク」といった柔軟な働き方を求める声は80.2%にのぼり、仕事と家庭の両立を図るための支援が急務とされています。

ワンオペ育児の実態



ワンオペ育児を実施していると回答した人も37.7%に達し、その中の81.4%が育児ストレスから、子どもに対して暴力を振るうという気持ちを理解できると答えています。このような結果は、育児の負担感が高く、育児におけるストレスが深刻であることを示唆しています。さらに、既婚者全体の57.8%が「子どもへの体罰を法律で禁止すべきだ」と考えており、育児を巡る危機的状況が浮き彫りになっています。

不妊治療とその現実



さらに、調査結果の中で驚くべきことは、不妊で悩む人の35.6%が「二人目不妊」の問題に直面していることです。妊娠できない理由として最も多かったのは「自身の不妊」が38.5%で、セックスの機会不足も大きな要因として挙げられています。さらに、二人目を望む男性もその悩みを抱えており、男性における「自身の不妊」と「自分とパートナー双方の不妊」という認識がそれぞれ14.7%と33.8%に達しており、より多様性のある支援を必要とされる状況です。

結論



このように、出産や育児を巡る環境は多くの課題を抱えています。社会制度や経済的不安により、出産意欲が削がれ、少子化問題はますます深刻化しています。これらの現状を受け止め、家族を支援するための制度改革や社会的理解が求められています。日本が子どもを産み育てやすい国になるためには、国や企業が一丸となって環境を整えていく必要があります。

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公益財団法人1more Baby応援団
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