越前市がユネスコ創造都市ネットワークに加盟し、新たな展望を広げる

越前市がユネスコ創造都市ネットワークに加盟

福井県越前市は、令和7年10月31日に、国際連合教育科学文化機関、いわゆるユネスコの「ユネスコ創造都市ネットワーク」に正式に加盟することが決定しました。これにより越前市は、日本国内では金沢市や丹波篠山市に次ぐ、クラフト＆フォークアート分野において、12番目の加盟都市となります。このネットワークは、文化と創造性を基盤にした持続可能な都市づくりを支援するための国際的な枠組みとして知られています。

加盟が認められた世界58都市に越前市が加わり、全体で408都市に達しました。この結果は、越前市の伝統工芸が国際的な評価を受けたものであり、地域の文化が世界に認知されるという大きな意味を持っています。

越前市の伝統工芸

越前市は、千年以上にわたり受け継がれてきた地域の伝統工芸を持っています。越前和紙、越前打刃物、越前箪笥などがその代表例です。これらの工芸品は、地域だけでなく、国内外でも高い評価を受けており、特に最近ではアート作品やインテリア素材としても注目されています。

越前和紙

越前和紙は1500年の歴史を持ち、室町時代には、質の高い「越前奉書」として名を馳せました。その美しさと品質は代々受け継がれ、多様な用途で利用されています。近年では、アート作品やインテリア素材としても再評価されています。

越前打刃物

越前打刃物は700年の歴史を持ち、伝統的な鍛冶技術によって作られています。包丁や鎌など、生活に欠かせない道具が多彩に揃い、国内外の料理人からも高く評価されています。

越前箪笥

越前箪笥は、釘を使わない技法で作られる和箪笥で、頑丈さと美しさが特徴です。職人の手作業で一つ一つ丁寧に仕上げられ、耐久性と美しさを兼ね備えています。近年では、現代の生活に合うデザインも展開されており、人気を集めています。

山田市長のコメント

加盟決定を受けて、越前市の山田賢一市長は、次のように述べました。

- 「加盟都市との交流によって、新たな技術やアイデアを取り入れる機会が増えます。これにより、伝統工芸のさらなる発展と、職人やアーティストの育成が進むことを期待しています。」
- 「海外からの評価によって、市民のまちへの誇りが高まり、地域社会の持続可能な発展にも繋がるでしょう。」

特に金沢市や丹波篠山市との関係を深めていくことを重視しており、越前市が「世界の文化創造都市」として成長していく第一歩と位置づけています。

越前市のシンボル

取材会では、越前市の創造都市を象徴するロゴマークも発表されました。このロゴは市出身の世界的デザイナー、aiMIKI氏が手がけたもので、地域の特長である伝統工芸や自然をモチーフにしています。今後、このロゴは地域内のPRグッズや掲示物に活用されていく予定です。

このように、越前市はユネスコ創造都市ネットワークへの加盟を通じて、さらなる地域発展を目指し、未来の可能性を広げています。地元の文化を深めていくにあたり、これからの展開が楽しみです。