ソリマチとソフトバンク、生成AIを活用したDX支援で中小企業をサポート
ソリマチ株式会社とソフトバンク株式会社が協力して、中小企業を対象としたデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を強化する取り組みを発表しました。両社は、生成AI技術を駆使し、全国の商工会およびそれに加入する事業者に向けて、業務効率化を図ることを目指しています。
1. 背景
近年、国内の事業環境は人手不足や物価の高騰などによって大きな変化を遂げています。商工会においては、経営や融資相談の依頼が増え、会計支援業務も拡大しているため、業務効率化が急務とされています。そこで、ソリマチは商工会に「商工会クラウド」というクラウド会計ソフトを提供し、商工会が加入する約79万の事業者の経営基盤の強化を支援しています。一方で、ソフトバンクは「Beyond Carrier」という戦略を通じて、通信業界の枠を超えた新たなビジネスの創出や各産業のDXに注力しています。両社の協業により、事業者のデジタル化が進むことが期待されます。
2. 協業内容
(1) 商工会クラウドへの生成AI機能の搭載
まず、ソリマチが提供する「商工会クラウド」に、ソフトバンクが提供する生成AI機能が搭載されることが決まりました。この機能には、マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」やソフトバンクの「TASUKI Annotation RAGデータ作成ツール」が含まれており、業務の効率化を図ります。
具体的には、商工会が発行する月次報告書に、AIが生成する「AI診断レポート」を追加する予定です。これにより、事業者の会計データをもとにした業績分析や改善提案が自動で作成されます。これによって、商工会職員の作業時間が大幅に削減されることが期待されています。
(2) 端末およびDXソリューションの提供
次に、商工会職員と事業者向けに、事前に「商工会クラウド」がインストールされたスマートフォンやタブレットなどのデバイスが販売される予定です。さらに、ソフトバンクが提供するネットワークやセキュリティ、クラウド対応の各種DXソリューションも合わせて提供され、ワンストップで業務を支援する計画です。
(3) コールセンターにおける生成AIを活用した実証実験
さらに、ソリマチテックグループのキャリアサクセスが運営するコールセンターでは、「Azure OpenAI Service」を導入し、問い合わせ対応の効率化を図る実証実験が進行中です。これにより、年間3万件を超える問い合わせに対する応対が効率的に行われ、オペレーターの負荷を軽減することを目指しています。
3. おわりに
今回の協業により、ソリマチとソフトバンクは、中小企業のデジタル化を加速し、地域経済の活性化を図ることを目指しています。両社の連携によって、商工会及び事業者に対する支援がさらに充実し、今後のビジネス環境がより良い形で変わっていくことが期待されています。