大阪医科薬科大学病院新本館のグランドオープン
2023年7月22日、大阪医科薬科大学病院の新本館がついにグランドオープンを迎えました。この新たな本館は、日揮ホールディングスがPMC(プロジェクトマネジメントコンサルタント)を担当し、長年の努力が実を結んだ結果です。
新本館の特徴
大阪医科薬科大学病院は、2027年に迎える創立100周年を視野に入れ、病院の建替え事業を計画してきました。新本館はその一環であり、患者やその家族がストレスを感じずに治療を受けられる環境を提供することが目指されています。「超スマート医療」を掲げたこの病院は、未来の技術革新や医学の変化への適応力を持つ柔軟な設計が特徴となっています。これにより、訪れるすべての人々に高品質の医療を継続して提供できるよう設計されています。
デジタルアートの導入
その新本館には特筆すべき施設が設けられています。日揮が提唱した「デジタルホスピタルアート」は、アートが医療現場で持つ影響力に着目した新しい試みです。アート鑑賞を通じて、患者やスタッフが心の安らぎや新しいコミュニケーションを生むことを目指しています。具体的には、美術館と連携し、名画をデジタル化して医療現場で体験できるようにした「デジタルアートミュージアム」が設立されました。
この施設では、ファシリテーターをデジタル化したアプローチで「対話型鑑賞」を実現しています。アバターによる解説を通じて、鑑賞者は名画をより深く理解し、アート体験を楽しむことができます。これは国内初の試みであり、病院における新しい形のアート体験が実現しました。
メンタルヘルスへの寄与
アートがもたらす効果については世界保健機関(WHO)もその有用性を認めています。アートとの接触が患者さんやスタッフの幸福感を高め、職場の環境を改善することが示されています。親しみやすいデジタルアートは、心の健康にも良い影響を与え、職場の満足度の向上にも寄与するとされています。日揮は今後この成果をもとに、様々な医療機関やメンタルヘルス対策を必要とする場所に向けてデジタルアートの導入提案を進めていく予定です。
今後の展望
日揮は1970年代後半から医療福祉施設へのコンサルテーションを開始し、幅広いサービスを提供しています。「人も、まちも、すこやかに」という理念のもと、医療機関の理想的な環境づくりのパートナーとしての役割を引き続き果たしていく所存です。今後はデジタルヘルスの分野やメンタルヘルスを重視したサービス開発にも力を入れ、より良い医療環境の提供に努めていくことでしょう。
日揮の活動を通じて、医療現場がより人に優しい場所になることを期待しています。新本館の開設が、医療業界に新たな風を吹き込むことを願います。