GWに訪れた関東人気温泉地、前年比5.7%の来訪者増加を記録

GWに関東人気温泉地が賑わう

2025年のゴールデンウィーク（GW）において、関東圏の人気温泉地における訪問者数が前年対比で5.7%増加したことが、ジオテクノロジーズ株式会社と株式会社JTBによる共同調査で明らかとなった。この調査は、熱海、箱根、伊香保、草津、鬼怒川、河口湖の6つのエリアを対象として実施された。特に、鬼怒川温泉の増加率は26.2%に達し、伊香保も17.6%の増加を記録。こうした傾向は、近場でアクセスの良い旅行先を求める旅行者の動きが影響していると考えられる。

鬼怒川と伊香保の著しい成長

鬼怒川と伊香保がこれほどの伸びを見せた理由には、遠方への旅行が控えられたことがある。昨今の物価上昇を背景に、宿泊費の高騰や混雑を避けたいという旅行者のニーズが反映され、これらのエリアが“穴場”として注目された。また、この調査では混雑率のデータも明らかにされており、福島、茨城、神奈川などの主要旅行先に比べ、鬼怒川は混雑率がわずか0.9%増に止まったため、過ごしやすい環境も訪問者の増加につながったと考えられる。

各種データから見る観光傾向

更に、宿泊率やリピート率、満足度といった地域ごとの観光特性も調査の中で浮き彫りとなった。宿泊率では、鬼怒川が42.7%と最も高く、家族連れに支持を受けている傾向が見られた。一方、箱根と河口湖は日帰りや立ち寄り利用が多く、宿泊率は低い結果となった。リピート率では、箱根が62.4%と突出しており、特に旅行消費額や満足度においても草津が最も高評価を受けている。

年齢層別の傾向

年齢層に関しても、エリアごとの違いが見られる。箱根では29歳以下の来訪者が31.6%を占める一方、鬼怒川は20.7%に留まったことから、地域によって来訪者の特性が異なることが分かる。また、草津は恋人や夫婦層に人気があり、その構成比は71%に達して、落ち着いた雰囲気が評判の秘密となっている。対照的に、鬼怒川の来訪者層は家族連れが55%と圧倒的な数を誇る。

交通手段の変化

交通手段に関するデータでは、訪問者の65%が自動車を利用している一方、熱海や箱根では鉄道での来訪が多く見られた。この背景には、若者に人気の高い地域であることや、公共交通機関の利便性が影響している。その結果、アクセスが容易な点がGWの混雑を和らげているとも考えられる。

持続可能な観光へ向けて

本調査の目的は、地域における持続可能な観光地域の構築を支援することにある。観光施策の検討において、訪問者の満足度やリピート率などが重要な指標であることを認識し、多角的な分析が行われた。その結果、ジオテクノロジーズが持つ膨大なデータと技術を駆使することで、観光ニーズの把握が進み、地方経済活性化にもつながることが期待される。

今後の展望

この調査結果からは、各エリアの観光施策やプロモーション戦略をより効果的に構築するための示唆を得ることができる。ジオテクノロジーズとJTBは、今後もデータに基づいた戦略の立案と観光モデルの構築を進め、持続可能な観光地域の形成を目指していく。観光DXの進展により、地域との新たな交流の形が生まれ、観光業界の発展に寄与することが期待される。

調査手法について

本調査は、2025年のGW期間中にJTBの観光調査ノウハウを基に、ジオテクノロジーズが人流データの分析及びアンケートを実施した。参加者から収集したデータにより、地域ごとの観光の特徴や傾向が可視化され、データを用いたより良い観光施策の策定が進むことが期待される。今後も、持続可能な観光の実現に向け、様々な取り組みが進められていくことだろう。