宝塚市におけるAIオンデマンド交通『HANI+』の実証実験が始動

進化する宝塚市の公共交通

宝塚市では、売布・清荒神地区で新たにAIを活用したオンデマンド交通サービス『HANI+（ハニタス）』の実証実験が行われます。この取り組みは、現在の公共交通機関の課題解決を図るものです。

1. 背景と必要性

現在、運行されている路線バスは地域住民にとって欠かせない存在ですが、運転手不足の影響や新型コロナウイルス感染症の影響でその運営が厳しくなっています。それに加え、高齢化や運転免許証を返納する人の増加が、公共交通のニーズを高めています。このような背景から、宝塚市と阪急バスは、より柔軟な交通手段を提供する必要性に迫られています。

2. 実証実験の概要

この実証実験は2024年の11月11日から12月11日まで行われ、期間中は従来の路線バスが並行して運行されます。運行時間は平日が午前9時から午後8時まで、土日祝は午前10時半から午後6時までとなっています。

対象エリア

特に注目されるのは、売布きよしガ丘、売布ガ丘、清荒神5丁目などの区域です。これらは実証実験において運行が拡大されるエリアで、29箇所の乗降拠点が設けられています。

3. 予約方法と運賃

利用者は専用アプリ『のるーと』または自動音声電話を通じて24時間予約が可能で、小学生以上は運賃が100円、小学生未満は無料です。支払い方法としては現金またはアプリ内決済が選択できます。

4. 『HANI+（ハニタス）』の特徴

『HANI+』は、従来の運行スケジュールに縛られない新しい形の公共交通サービスです。利用者が予約した際、AIが最適な運行ルートをリアルタイムで設定し、指定されたミーティングポイントでの乗車を可能にするものです。これにより、利用者は「好きなとき、好きな場所」へ移動できる自由度が大幅に向上します。

5. 地域の活性化と社会参加

また、宝塚市はこの取り組みを通じて高齢者をはじめとした地域住民の社会参加を促し、地域の活性化を図ります。新たに設立される「くらしの交通」共創プラットフォームを利用することで、周辺施設とも連携を進め、地域全体の賑わいを生み出すことが期待されています。これにより、公共交通の利用促進とともに、地域全体が活性化することが目指されているのです。