中小企業を支える新たな拠点「DX工場」の誕生
2022年2月、広島に新たな「DX工場」が誕生しました。この工場は、特に中小規模の製造業が抱えるデジタルトランスフォーメーション(DX)の課題を解決するために設立されました。先行して行われた2021年12月20日のオープン以降、広島工業大学との協力のもと、製造ラインの最適化に向けた実証実験が進められています。
DX工場の革新性
「DX工場」では、センサーや各種タグ、システム、手作業などの工程をデジタル化することで、小ロットと大量ロットの製品を同一ラインで製造することが可能となります。従来、小ロット製品はコストが高く、納期も長くなりがちでしたが、DXの導入によりこれらの課題を克服し、短納期で低コストな提供が実現されるのです。
この工場の最大の特徴は、マスカスタマイゼーションに対応できる点です。小ロットの製品は個別対応が必要であり、納期やコスト面での難しさが伴いますが、実証実験を通じてこの課題を乗り越えようとしています。特に、制御盤以外の製造を行う他の工場にもこのノウハウを提供し、全国の製造現場のDX化を進めていくことを目指しています。
中小企業の現状と課題
現在、大手企業は大量ロット生産にシフトしていますが、国内の中小企業は、職人の経験や現場に特化したノウハウに依存した製造が多く、リソース不足や知識の継承という問題が常に付きまとっています。この問題を解決することで、比較的小規模な工場でも、大量ロット生産と小ロットの一品一様生産を同一の生産ラインで行えるようにすることが期待されています。
人手不足と品質向上の取り組み
「DX工場」では、製造現場のDX化を通じて、人手不足を解消し、担当者のスキル差による不良品の発生を抑えます。品質向上とコスト削減を同時に進め、製造業全体の競争力を高めることが狙いです。
また、実証実験への外部参加も広く受け入れており、今後はさまざまな企業や団体との連携を強化していくことで、製造業の技術革新に寄与していく方針です。
可部事業所の概要
可部事業所の詳しい情報は以下の通りです。
- - 名称: 可部事業所
- - 住所: 〒731-0223 広島市安佐北区可部南3丁目6番18号
- - 敷地面積: 1634.33m²
- - 操業開始: 2022年2月
- - 生産品目: 制御盤、動力盤、配電盤、他
- - 従業員数: 約30名(予定)
「DX工場」を通じて、国内製造業の未来に明るい光が差し込むことを期待しましょう。