半導体工場の生産性向上
2016-11-01 12:30:03

ジャパンセミコンダクター、屋内位置情報ソリューション導入で生産性向上を実現

ジャパンセミコンダクター、屋内位置情報システム導入で生産性向上を実現



大分県にある株式会社ジャパンセミコンダクターは、約300もの工程からなる複雑な半導体製造工程において、生産性向上のため、屋内位置情報ソリューション「iField indoor」(マルティスープ株式会社提供)を導入しました。

従来、作業者は工程ごとに固定配置されていたため、時間帯によっては人員不足や余剰が発生していました。この課題を解決するため、同社はリアルタイムでの「人の見える化」を実現するシステム導入に踏み切りました。

導入された「iField indoor」は、大分事業所の約3万㎡の建物内に約2500個のビーコンを設置し、作業員が携帯するスマートフォンと連携することで、作業員の正確な位置情報をリアルタイムに把握することを可能にしました。常に100台以上のスマートフォンが稼働し、作業員の歩行状況や作業時間、待ち時間といった詳細なデータを取得しています。

このシステムと連携した「M3 Visionモニター」により、人、モノ、設備のリアルタイムモニタリングを実現。工場内のマップ上に、これらの情報がリアルタイムで表示されることで、全体状況の把握と迅速な対応が可能となりました。

具体的には、人員不足の工程に人員を迅速に配置転換することで、人待ち率を4%削減することに成功しました。これは、リアルタイムな状況把握に基づく柔軟な人員配置と適切な作業指示を実現した成果です。

ジャパンセミコンダクターは、今後もシステムの改良を続け、作業員の稼働率向上によるさらなる生産性向上を目指します。最終的には、工程の枠にとらわれない人員配置によるミニマムラインの構築と、現状コストの10%削減を目指しているとのことです。

この取り組みは、複雑な製造工程を持つ半導体業界において、生産性向上とコスト削減という大きな課題解決に貢献する事例として注目されます。特に、リアルタイムなデータに基づいた柔軟な人員配置は、今後の製造業における効率化の大きな指針となる可能性を秘めています。

ジャパンセミコンダクターについて



2016年4月に東芝大分工場と岩手東芝エレクトロニクスを統合して設立されたジャパンセミコンダクターは、約2200名の従業員を擁する大手半導体メーカーです。主力製品は、自動車関連のMixed signal ICやMCU/ASIC、センサー製品など多岐に渡ります。大分事業所は1970年の創業以来、半導体製造の中核を担っています。

マルティスープ株式会社について



マルティスープ株式会社は、位置情報ソリューションを提供する企業です。主力製品である「iField」シリーズは、GPSが使用できない屋内環境でも高精度な位置情報を提供し、様々な業界で活用されています。ジャパンセミコンダクターへの導入事例は、同社の技術力の高さを示す好例と言えるでしょう。

iField indoorについて



「iField indoor」は、GPSを使用できない屋内環境において、人、モノ、機械の位置情報をリアルタイムに把握できる屋内位置情報ソリューションです。工場、物流倉庫、病院など、様々な場所で生産性向上に貢献しています。ジャパンセミコンダクターでの導入事例は、その有効性を改めて示すものです。

会社情報

会社名
マルティスープ株式会社
住所
東京都千代田区神田錦町3-11精興竹橋共同ビル3F
電話番号
03-3518-9013

トピックス(経済)

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