経営チームにおける対話の重要性
近年、企業が持続的に発展するための要素として「対話」が注目されています。株式会社コーチ・エィの研究開発部門「コーチング研究所」が実施した調査によると、経営チーム間での共創的な対話は、企業の成長に大きく寄与していることが明らかになりました。
本調査は、日本国内の50名以上の従業員を持つ企業に所属する484名の経営メンバーを対象に実施され、結果として約70%の経営陣が対話が会社の持続的な発展に貢献していると回答しています。この結果は、企業の意思決定や問題解決、イノベーション推進において対話が不可欠であることを示しています。
調査結果の概要
調査レポート「経営チームにおける対話の有用性と促進に向けて」では、対話が経営への影響を持つことが確認されています。対話の方法やその効果については、以下の点が特に注目されます。
1.
会議以外での対話の重要性
経営チームメンバーが会議以外の場でも積極的に対話を行っていることが、組織やビジネスの健全な状態と直結しています。また、約4割のメンバーは会議以外の時間を有効活用して関係構築を行うことに消極的であることも分かりました。
2.
対話の目的の認識
対話を行わない経営チームメンバーの約35%が、対話する目的について「特にない」、あるいは「分からない」と回答しています。これに対し、対話を行っているメンバーはその目的を明確に認識していることが分かります。
3.
共創的な対話の効果
経営チーム間の共創的な対話が推進されている場合、事業の生産性向上や新たな事業の創出、次世代のリーダー育成に寄与することが確認されました。
経営チームの行動分析
調査では、経営チームの行動に関する設問を通して組織状態やビジネス状態との関連性を検証しました。特に、「会議以外でも定期的に経営チームメンバーと対話を行う」行動が、組織の状態やビジネスの状態の評価において最も大きな影響を与えていることが見て取れます。
また、組織の状態が良好である経営チームのメンバーが、会議以外でも積極的に時間を取って対話に臨んでいる傾向が強いことも確認されました。これにより、経営チームにおける対話が企業に与える影響は明白であり、今後の組織の発展に向けた重要な要素として位置付けられるでしょう。
結論と今後の展望
経営チームメンバー間の信頼関係を築くためには、積極的なコミュニケーションを通じて関係構築を行うことが不可欠です。本調査からは、経営チーム内での共創的な対話が企業の成長にプラスの影響をもたらすことが示されています。企業はこのことを考慮し、今後の経営方針において対話の促進を図る必要があります。
コーチング研究所では、今後も対話やコーチングが組織や経営に与える影響について研究を続け、企業の持続的な発展を支援していく考えです。これを通じて、経営チームの関係性や対話の重要性をさらに深く理解できる機会を提供していく予定です。