エクスペリサスが資金調達を実施
エクスペリサス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:丸山 智義)は、シリーズAの最終ラウンドで5.6億円の資金調達を成功させました。今回の調達には、九州旅客鉄道株式会社や大和ハウスベンチャーズ株式会社などが参加しており、これにより同社のシリーズA資金調達の総額は12.4億円に達しました。
エクスペリサスの企業理念
エクスペリサスは「100年先の未来へ、日本中の多様な文化が継承される『仕組み』を創る」というビジョンを掲げ、持続可能な観光を通じた地方創生を進めています。2017年の設立以来、訪日富裕層旅行市場での地位を確立し、BtoB型のクローズドECサイト「XPERISUS.com」を立ち上げ、海外富裕層向けのサービスを強化してきました。
COVID-19による事業戦略の転換
COVID-19パンデミックの影響で一時的に海外販売事業は停止しましたが、同社はこの期間を見越して国内富裕層向け、法人向け、そして官庁自治体向けの事業領域に乗り出しました。この多角化により、官庁や企業とのパートナーシップを構築し、独自の高付加価値体験を提供することに成功しました。
2022年の急成長
その結果、2022年の売上は前年比400%の成長を記録し、2期連続で黒字化を果たしました。2022年10月には入国制限が緩和され、海外販売事業も再開。2023年にはラグジュアリーツーリズムの国際的なコンソーシアム「Serandipians」に加盟し、グローバル展開も加速しています。
海外富裕層に特化する理由
エクスペリサスが海外の富裕層に特化している理由は、訪日旅行者のわずか1%に過ぎない富裕層が、全体の約14%の消費額を占めていることにあります。地方を訪れる富裕層が限られている現在、エクスペリサスはこの市場のニーズを捉え地方創生に寄与しようとしています。富裕層旅行者は滞在日数が長く、リピート率も高いため、持続可能な観光モデルの実現に貢献できる可能性が高いのです。
資金調達の背景
日本のインバウンド観光市場は急速に回復しており、2024年には過去最高の旅行者数が見込まれています。特に富裕層の高付加価値な体験型観光への需要が高まっており、地方の文化や自然への関心も高まっています。
このような状況の中、エクスペリサスは地方創生と持続可能な観光開発の課題に取り組むため、資金調達を行いました。
今後の戦略と3つの重点投資
調達した資金は以下の3つの重点分野に投資されます:
1.
海外マーケティング体制の強化
欧米やアジア各国の富裕層市場へのアプローチを拡大し、旅行代理店とのパートナーシップを強化する計画です。
2.
地方観光資源の高付加価値化支援
各地の自治体や観光事業者と連携し、高付加価値な観光体験の開発を目指します。
3.
プラットフォーム事業とオペレーション体制の強化
ノウハウの拡大とサービス品質の向上を実現するためのテクノロジー投資も予定です。
今後の展望と目指すスタンダード
エクスペリサスは、より多くの人々に日本の魅力を届け、このビジョンを実現するために新たな人材を募集しています。
「私たちは、特に隠れた魅力を引き出し、世界に発信する役割を担いたい」と丸山社長は語ります。エクスペリサスの取り組みは、ビジネスを超えた社会的意義のあるものであり、多様な文化が継承される新しい観光モデルを確立するために、今後も貢献し続けます。