平泉町で新たな図書館業務の改革『べんけーくん』の導入
岩手県平泉町に位置する学習交流施設「エピカ」内の図書館で、最新の技術を搭載した業務ロボット「べんけーくん」が登場しました。このロボットは、シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社(SDH)が画像解析AIを使用した図書館蔵書管理システム「KoKoBo(ココボ)システム」を搭載しており、従来の手作業での蔵書点検を大幅に効率化します。
「KoKoBoシステム」の特徴
これまで図書館では、数万冊に及ぶ蔵書を手作業でバーコード読取を行い、蔵書点検を行う必要がありました。しかし、この方式では作業の負担が大きく、スタッフの人手不足という課題を抱えていました。SDHが開発した「KoKoBoシステム」は、画像解析AIを利用し、本の背表紙を自動で読み取ることができるため、従来の方法に比べて必要な人手を大幅に削減します。
このシステムは、ICタグを導入することなく、さまざまな機器に搭載可能であるのが特長です。これにより、図書館業務の柔軟性が一層向上しました。実際、実証実験では、従来は10日間かかる点検作業を、わずか2日で完了させることに成功したのです。
愛称「べんけーくん」の由来
「べんけーくん」という愛称は、地域住民からの投票によって決定されました。この名前は、平泉町の歴史に由来し、武蔵坊弁慶のように図書館を守るという理念が込められています。見た目も僧兵らしい袈裟を身にまとっており、利用者との一体感を生み出しています。
地域とのコミュニケーション強化
SDHは、全体的な業務効率化を目指しつつ、利用者へのサービス向上にも力を入れています。得られた時間を地域の方とのコミュニケーションに使い、例えば開館日数の増加といった形で利用者への還元を進めていく計画です。
このような先端技術の導入により、平泉町の図書館業務は進化し、将来的には地域の課題解決にも寄与することを目指します。新しい時代の図書館サービスが、地域にどのような変化をもたらすのか、今後が大いに期待されています。
施設の情報
「平泉町学習交流施設 エピカ」内の図書館は、約42,000冊の蔵書を有しており、年間を通じて多様なサービスを提供しています。施設は地域の文化交流の場として、図書館機能だけでなく研修室や多目的ホール、子育て支援スペースを併設し、多彩な利用シーンに応じています。SDHは2022年7月からこの施設の運営を受託しており、地域に根ざしたサービス提供を目指して日々取り組んでいます。