Kaspersky Security Bulletin 2024が示すサイバー脅威の動向
2024年12月4日、Kasperskyのセキュリティリサーチチームが発表した年次レポート、Kaspersky Security Bulletinにおいて、今年のサイバー脅威の傾向が明らかになりました。このデータは2024年の1月から10月までの期間にわたり、同社が検知した悪意のあるファイルについて集約したものです。
増加する悪意のあるファイル
レポートによると、2024年の10ヶ月間にカスペルスキー製品が検知した悪意のあるファイルは、平均して1日当たり467,000件に達し、前年同期と比較して14%の増加が見られました。特に注意すべきは、トロイの木馬の検知数が33%も増加している点です。このトロイの木馬は、悪意のあるプログラムが正規のソフトウェアに見せかけられる形式で、ユーザーを巧妙に騙す仕組みとなっています。
さらに、最近注目を集めたのは、Kasperskyが構築したTelnet・SSHに関するハニーポットに対する攻撃です。日本が攻撃元デバイスをホストする国として初めてトップ5にランクインしたことも驚きです。こうした脅威は過去数年間にわたってわずかずつ上昇しており、今後の動向に注目が必要です。
Windowsをターゲットにしたマルウェア
2024年においても、Windows OSが引き続き主要な攻撃対象となっています。カスペルスキーのデータによれば、2024年の1月から10月までに検知されたマルウェアのうち93%がWindows向けのものであり、さらに検知数は前年同期と比べて19%増加しています。特に、トロイの木馬やスクリプトを使用して感染を広げるマルウェアファミリーが目立っています。
最も多く拡散されているマルウェアの種類も引き続きトロイの木馬で、これが全ての悪意のあるファイルの約6%を占めています。また、Trojan-Dropperと呼ばれる他のマルウェアをコンピューターやスマートフォンに送り込むことを目的とした悪意のあるプログラムの使用も150%の増加を記録しました。
サイバー攻撃の最新動向
Kasperskyのアンチマルウェアリサーチグループリーダー、ウラジミール・クスコフ氏は、サイバー脅威が年々増加していることについて警鐘を鳴らしています。特にオープンソースのデータ圧縮ソフトウェア「XZ Utils」に関連するサプライチェーン攻撃が観測されており、信頼関係やサプライチェーンが狙われる傾向が増しています。加えて、大規模なフィッシング詐欺やバンキング型マルウェアの増加も見受けられます。
本レポートを通じて、AI技術を活用したマルウェアやフィッシング攻撃の効率化も進行していることが示されています。これに対抗するためには、確かなセキュリティ対策が不可欠であり、Kasperskyは最新の脅威インテリジェンスを基に安全なオンライン環境作りに努めています。
今後の展望
2024年のKaspersky Security Bulletinは、今後のサイバー脅威に対する警戒が重要であることを再認識させます。Kasperskyが提供するセキュリティソリューションは、個人や組織がこれらの脅威から身を守るための重要な要素となるでしょう。最新のサイバー脅威インテリジェンスを活用し、安全な環境を確保することが求められています。
詳しくはKasperskyの公式ウェブサイトをご覧いただくことをお勧めします。