越境ECにおける日本商材の購入意識とレビューの実態
ディーエムソリューションズ株式会社が実施した調査によると、越境ECを利用して日本商品を購入した外国の消費者の間で、製品の品質への高い期待が明らかになりました。調査は、アメリカ、イギリス、中国、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの8ヵ国で行われ、20代から40代までの男女800名を対象としています。調査期間は2024年6月20日から7月3日までで、インターネットを通じて収集されました。
高まる日本商品への信用と品質重視の傾向
『日本の商品やブランドをECで購入する際に重視すること』という問いに対して、62.5%の人々が「商品品質の高さ」を選び、日本製品のブランド力の強さが際立ちました。この結果から、消費者が日本ブランドに対して保持している期待は高く、商品開発の際にはこの品質を保つことが最重要であることが示唆されます。
逆に、消費者が重視する点が「品質」に集中することで、ブランド名だけでは購入されなくなってきているとも考えられます。これは、さらなる競争が展開されている市場での消費者の敏感さを示していると言えるでしょう。
購買時の比較検討行動
また、この調査においては、実に8割以上の海外消費者が日本商品を購入する際に何らかの比較や検討を行っていることが確認されました。「必ず比較・検討する」と回答した人は25.5%、そして「時々比較・検討する」が57.2%に上りました。
このことは、越境EC市場においては価格面や品質面で周到な調査が行われ、消費者が賢い選択をしていることを示しています。
ポジティブなレビューの背景
調査における非常に良い結果として、66.8%の消費者が購入した日本商品について何らかの形で感想をシェアしていることが判明しました。特に、「感動/満足」のポジティブな内容のレビューは、商品品質の高さや価格に対する満足度に関連しています。このように、質が期待を上回ることで、本来の期待感を超えた感動を得ることが多いようです。
また、38.1%の消費者が「梱包の品質」についても好印象を持っていることがわかり、日本の高度な物流システムがもたらす影響が表れています。
ネガティブなレビューの実態
一方で、「がっかり」と感じた理由については、最も多くの人が「届くまでの日数」を挙げたことがわかり、44.7%の人々がその点に不満を感じている結果となりました。次いで「価格に対する品質」の評価や「商品の品質の低さ」も問題視されており、越境ECの物流の課題が意識されている様子が浮かび上がります。
まとめ
この調査結果は、越境ECを利用する消費者のニーズがより高まっていることを証明しています。日本商品は今なお高評価を得ているものの、質とサービスの両面での改善が求められるため、越境ECに参入する企業はこれを念頭において戦略を立てる必要があるでしょう。日本商材の国際的な評価を高めるために持続可能な品質向上の取り組みが、今後ますます重要となることが予想されます。